学長メッセージ

大学概要
個を伸ばし個を磨く 九州産業大学長 榊泰輔

 九州産業大学は、現在、9学部・大学院5研究科をそろえ、1万人を超える学生が研鑽を積む総合大学です。

 これまで社会の多分野で活躍する約12万人もの卒業生を輩出しています。その教育の成果に対する評価が、年々良くなっていることを実感しています。例えば、独自のキャリア教育により、日経キャリアマガジン「価値ある大学2019年版」の就職ランキングでは総合ランキング61位(九州では九州大学、熊本大学に次いで3位)、就職支援に熱心に取り組んでいる大学では9位と企業から高く評価いただいています。

 それは、現場に強い人材育成をめざし、教職員が協働して学生一人ひとりを支えるきめ細かな指導の成果です。実社会で必要な課題解決力を養う「基礎力」と「実践力」。それぞれを全学共通の「KSU基盤教育」と、地域の企業・行政と学生が連携し課題に取り組む「KSUプロジェクト型教育」で培います。

 本学には、産業と大学が車の両輪のように一体となって時代の要請に応える「産学一如」という建学の理想があります。近年、目まぐるしく変化する現代社会に求められる人材育成に努めることが大学の使命です。2016年の芸術学部、翌年の理工系学部の再編に続き、2018年には地方創生や観光振興、保育士不足の解消など、地域が抱える課題の解決に貢献できる人材育成を視野に、「人間科学部」と「地域共創学部」を新設しました。

 一人ひとりの個性は、それぞれの強み。本学で、未来に向かって学び続け「個を伸ばし個を磨く」ことができるよう支援します。

1.学修・学生支援

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    基礎教育の充実

 平成20年度から導入された全学共通基礎教育においては、いわゆる教養教育だけでなく、学部専門教育課程への円滑な移行を促すとともに、卒業後のライフデザインまでをも視野に入れて、①導入教育科目、②教養科目、③キャリア科目、④心と身体の健康科目の4本柱からなる学修プログラムを主軸に据え、本学の特色を活かしたアートスクールや教養講座などユニークな内容の授業科目が配置されています。

 英語などの外国語教育においては、バランスのとれたコミュニケーション能力(読む・書く・聞く・話すの4技能)の育成に取り組んでいます。特に、平成19年度文部科学省「特色ある教育プログラム(特色GP)」にも採択された「全学共通英語教育プログラム」では、全学部横断型の能力別クラス編成および本学独自に編集・作成したテキストとe-Learningにより学生一人ひとりの英語力に応じた指導を最新設備のLL教室において実施しています。また、実践的英語コミュニケーション能力を育成する目的で、成績優秀な学生を選考し、英語研修とインターンシップに派遣する「KSU海外・国内ジョブ・トレーニング」を実施しています。

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    専門教育の充実

 各学部における専門教育課程では、それぞれの人材育成の目標に向かって、基礎的科目から応用・展開科目にいたる段階的かつ系統的な学修プログラムを構築し、また充実したリメディアル教育により、それを補完することを目指しています。

 各授業科目の授業計画を適切に定めてシラバスを作成し、FD(ファカルティ・ディベロップメント)や自己点検・評価活動等を通じて、カリキュラムや履修指導・学修支援の在り方などの点検を行い、能動的な学習による課題解決能力や社会人基礎力などの育成を重視した教育課程の編成・実施に向けて努めています。また学部横断型の学修プログラムや他大学との単位互換システムの構築にも取り組んでいます。

 大学院においては、急速に変化する社会において先端的な知識・情報・技術へ即応できる高度な分析力、思考力および実行力を備えた有意な人材の育成と社会人が学修しやすい環境を整備するため、各研究科の改組を行いました。また、大学院へ進学する学部生を支援するため、在学中に大学院の授業科目を履修できる「学部・大学院連携プログラム」を実施しています。

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    キャリア教育の充実

 1年次の「キャリア形成基礎論」から3年次の「キャリア形成戦略」に至る全学共通のキャリア教育科目を配置する一方で、学士課程教育の中で生涯を通じた持続的な就業力の養成のため、各学部の専門教育課程にもさまざまなキャリア科目を組み込んでいます。また、キャリア支援センターのインターンシップ等の多様なキャリア支援プログラムと連携した指導を行っています。

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    入学前教育の実施

 自己推薦および高校推薦の合格者を対象に「入学前教育」を実施しています。
早い時期に合格し、入学が決まったみなさんが「友達ができるかな」「勉強についていけるかな」など、不安を解消するため「ドミノゲームを体験しながら、チームワーク・コミュニケーション・目標管理・タイムマネジメントなど、大学生活に必要なものを習得するためのプログラム」になっています。一足先に、大学生活を体験できます。

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    学生支援の充実

 1年次生全員が履修する「基礎ゼミナール」は、専任教員が担当する少人数クラス制の導入教育科目であると同時に、クラス担任が学生の大学生活全般をサポートする「場」であり、クラス担任と教務部、基礎教育センター、学生部・学生相談室、語学教育研究センター、入試部、国際交流センター等が連携して学生および学修支援を行っています。このクラス担任を中心に教員と職員との協働によるネットワーク型の学生・学修支援体制により、学生一人ひとりを入学から卒業・就職まで継続的に指導・支援しています。

 また、「基礎教育センター」は、高校から大学教育へのスムーズな移行の支援と高度な専門教育を確実なものとするための基礎づくりを目的に、「基礎教育サポートセンター」とも連携して多様な支援活動を行っています。

2.特色ある研究活動

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    私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

 「景観研究センター」は、平成15~19年度の文部科学省学術フロンティア推進事業によりその基礎が築かれた研究拠点であり、学外研究資金等による自主的研究および学際的共同研究を目的として設置されたプロジェクト研究所として研究活動を継続して来ました。本研究センターを基盤とする「北部九州の窯業に着目した文化的景観の形成と保全に関する研究」(研究代表者:大学院工学研究科山下三平教授)が、平成24年度の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(研究観点:地域に根ざした研究)に採択されました。

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    伝統みらい研究センター

 伝統的工芸品産業が抱える課題の解決手法を確立し、その成果を同産業の再生に向けて還元すること、及び人間「酒井田柿右衛門」の作風の変遷・技術伝承のあり方等を明らかにし、その成果によって伝統工芸に関わる学生、産地従事者等の人材育成を図ることを目指しています。

3.学外連携・社会貢献活動

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    東部地域大学間連携協定

 この協定は、福岡東部地域に位置する本学、福岡工業大学および福岡女子大学が教育・研究活動全般における交流および連携を推進し、相互の教育・研究の一層の進展と地域社会の発展に寄与することを目的として、締結されました。東部地域の3大学が連携・協力することで、地域連携、行政との連携、連携講座、共同研究および公開講座など、東部地域大学連携に関する取り組みを通して、地域社会の発展に貢献したいと考えています。

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    こころのウェルネスプログラム

 大学院国際文化研究科および臨床心理センターでは、こころの成長モデルであるウェルネスモデルに基づいて、心理学やカウンセリングの様々な知識やスキルを活かしながら、地域社会の子供から高齢者まで幅広い参加者が自分らしく生き生きと暮らせるお手伝いをする「こころのウェルネスプログラム」を実施しています。

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    地域連携活動

 地域の皆さんへの公開講座として、九州産業大学教室、香椎塾教室とカフェたちばな一日講座、小学生から社会人のための語学講座および情報講座などを実施しています。また、地域の皆さんと教職員や学生ボランティアによる夜間パトロールや清掃活動など多様な連携活動を行っています。

 各学部と地域社会および企業との本学の特色を生かした連携プロジェクトとして、「香椎まちづくりプロジェクト」、「柳川サテライト大学」、「指一本で歩き出そうproject」と「地域ブランド開発プロジェクト」など、そして、美術館の創造性教育プログラムの一つであるアートキャラバン隊によるワークショップや社会教育施設での出張講座などが行われています。

 本学は、50周年を期に次の100周年に向け、「中村産業学園中期事業計画(平成28年度~平成32年度)」に基づき、「地域社会に根ざした教育重視の総合大学」としての発展を目指して、大学改革を着実に実行していきます。そして、人材育成ビジョンを実現するため、学士課程および大学院博士課程における入学から卒業・就職までの学修・学生支援、特色ある研究活動および学外連携・社会貢献活動の一層の充実・推進に、教育職員によるFD活動と事務職員によるSD(スタッフ・ディベロップメント)活動の両輪により取り組んでまいります。ご理解とご支援のほどよろしくお願いします。