国際博物館会議会長らと「未来の博物館」について意見交換しました

 

 九州産業大学美術館は、11月30日(金)、地域共創学部地域づくり学科緒方 泉教授による2018年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」の一環として、博多バスターミナル9階会議室で、国際博物館会議(International Council of Museums =ICOM)会長のスアイ・アクソイ氏【写真左】と同会議中南米カリブ地域(ICOM-LAC)委員長のサミュエル・フランコ・アルチェ氏【写真右】を招いて、超高齢社会などの「2025年問題」を踏まえた未来の博物館について語り合う「ミュージアムカフェ」を開催しました。

 講演でアクソイ氏は、「博物館は社会の変化とともに最も信頼できる機関として発展していかなければならず、今後は、地域社会の持続的な成長のための触媒になることが求められている」と語りました。

 また、アルチェ氏は、「都市部だけではない、山岳部や遠隔地など、それぞれの地域に密着した持続可能性のある新しい形の博物館を構築し、それぞれのアイデンティティーを確立する必要がある」と訴えました。

 本学美術館吉田公子准教授と福岡市美術館主任学芸主事・鬼本佳代子氏がそれぞれイギリスとアメリカで行った調査報告では、博物館が社会と人々をつなぐ牽引役を果たす、医療機関と連携した高齢者対象プログラムの事例報告がありました。

 その後、全国から集まった27人の学芸員や教員、学芸員をめざす学生たちは、グループに分かれて、博物館の現状や今後の在り方などについて活発な意見交換を行いました。

 最後に、来年9月に京都で開催される「ICOM KYOTO 2019」(国際博物館会議京都大会)の組織委員長で京都国立博物館館長の佐々木丞平氏【写真下左】が講評に立ち、「博物館は、文化財の展示という枠を超え、社会とつながり人々に幸せをもたらす存在であるべきで、この使命のもとに開かれた今日の研修は、博物館の未来に新たな光を与えていくと思います」と語りました。

 国内の博物館への内定が決定している国際文化学部日本文化学科4年の石川 明さん(伊達緑丘高校)は、「参加して、博物館が地域や社会を変えていく“Museums change lives”という考え方が明確になりました。1人の人間として、これから社会にどうやって貢献していくか考え続けていきたいです」と話しました。

【美術館】

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