「第35回イメージフォーラム・フェスティバル」で寺山修司賞を受賞!

 作家性や芸術性、創造性の高い作品を上映する映像アートの世界的な祭典「第35回イメージフォーラム・フェスティバル」の「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」において、芸術学部芸術表現学科伊藤高志教授が監督・脚本・撮影・編集を手掛けた作品「ゼロへ」が、先鋭的で実験的な作品に贈られる「寺山修司賞」に輝きました。

 「東アジア・エクスペリメンタル・コンペティション」は、フェスティバルにおける日本、中国、香港、台湾、韓国の東アジア地域を対象とした公募部門で、今回は322作品の応募がありました。
 
 受賞作は2部構成で、第1部は舞踏家のドキュメンタリーと本学学生へのインタビューで構成され、第2部は、第1部の出演者が演じる、心の闇を抱えながらカメラを回し続ける女子学生、男の手首を捨てるために自分の分身と対峙しながら彷徨する女、性に溺れる一方で死の影に怯えながら魂の救済を求める男の3人のストーリーが交差しながら進行する、上映時間72分の作品です。衝撃的で先鋭的、美的な描写で綴られたこの作品は、生と死という人間存在の本質を抉りながら、観客に生きる意味を強く問い掛けます。

 審査員からは、「生と死の境界を揺さぶる、鮮烈で力強い作品。作品からほとばしる情熱に、審査員一同エネルギーをもらった」と評価されました。

 受賞に際して伊藤教授は、「生と死、此岸と彼岸を越境した作品を撮り続けて40年。自分が今までやってきたことは間違いではないと確信しました。これを励みに、さらに前衛的な作品づくりに取り組みたい」と語りました。

【芸術学部】

 

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