KSUプロジェクト型教育

教育/学部・大学院

卒業生インタビュー

九産大で自分の個性や確かな力を発揮できる場所を見つけた卒業生たち。

そのメッセージは、夢に向かって進もうとする一人ひとりの背中をそっと押してくれます。

2023年度

大国段ボール工業株式会社 勤務

廣瀬 孔明
石橋 朋佳 さん

造形短期大学部 造形芸術学科 2020年3月卒業
福岡県・福岡講倫館高等学校出身

プロジェクト参加で拓けた新たな道
どこにもない商品を生み出したい

 「今一番力を入れている企画が、猫の爪とぎです。ダンボールカスが出にくい弊社の爪とぎは、グッドデザイン賞を受賞している看板商品。その新作をゼロから作りたいと頑張っています」

 「大国段ボール工業株式会社」でデザインと設計を担当する石橋さんは、段ボールの低コストで扱いやすい利点を活かした商品開発に力を入れるプロダクトデザイナー。梱包材というイメージの強段ボールの新たな可能性を日々模索しています。

 実は、段ボールに目を向けるきっかけになったのが、2年次に参加したプロジェクトでした。立体造形や造形ワークショップを得意とする森下慎也先生と出会い、「段ボールキット開発プロジェクト」や「ビー玉転がし商品開発プロジェクト」など3つのプロジェクトに参加。段ボールを使った子ども向けのキットを作り、ワークショップも開催。「段ボールを使った工作キットは子どもたちに大好評で、喜んでいる様子を直接見られたことでもっと魅力を伝えたいという思いが膨らみました。その時の経験が、新たな商品を生み出して消費者に喜んでもらいたいという、今の意欲にも繋がっています」

 紙媒体やWEBのデザインを手がけるグラフィックデザイナーを夢見て入学したものの、1年次は漠然とした不安があったと振り返る石橋さん。「私はプロジェクトに参加して、やりたいことが大きく変わりました。学生の皆さんも、今、学んでいることに固執しないで、面白そうと思ったことに自分から参加すると、いろいろな可能性が広がると思います」とアドバイスを送ります。

学生時代に関わったPROJECT

「ビー玉転がし 商品開発プロジェクト」

 子ども向けのビー玉を使ったワークショップ商品を企画・開催。当初は木材を使って作る予定でしたが、コスト削減の観点から段ボールでの製作に転換しました。学園祭で子ども連れや親子に体験してもらい、反応を聞きながらブラッシュアップさせた最終作品は、学内の表彰で優秀賞を受賞しました。

宮島醤油株式会社 勤務

本田 雅文
古澤 法子 さん

生命科学部生命科学科食品科学コース 2021年3月卒業
佐賀県・佐賀北高等学校 出身

引っ込み思案を脱却!
リーダーとして挑んだプロジェクト

 幼少期から食べることが好きで、食品関係の職に就く夢を抱いていた古澤さん。オープンキャンパスで、九州産業大学の充実した施設や高い専門性に心躍らせ、生命科学部への進学を決めました。

 志高く1年次から「発酵研究会」というプロジェクトに参加。2年次には「発酵研究会」を改名した「食品開発研究会」でリーダーに抜擢され、初年度に「いちご練乳ジャム」、2年目に「食べる「ねぎ油」の開発に携わりました。そこで気付いたのは、おいしくて安全な商品を作るには、食品の知識だけでなく、コミュニケーション力も重要だということ。「試作品の品評会や製造工程を確認、販売についての打ち合わせなど、全部自分たちで行ったので、いろいろな人との関わりが欠かせませんでした。2年次でリーダーになった時は人前で話すのが苦手で、先輩たちに頼りっぱなしでしたが、3年次になってからは、友人や先輩の前で何度もシミュレーションをして、話す練習をしました。プロジェクトを経てコミュニケーションを取ることへの不安が減ったから、自信を持って開発職に付けているのかなと思います」と古澤さん。

 大学で学んだ知識や食品加工プラントでの実習が現場レベルだったことから、すぐに職場の環境に適応できたのもプラスでした。古澤さんは「自分が手がけた商品を作りたいですね。古澤に任せれば大丈夫と言われるぐらいまで、成長していきたいと思います。理想とする商品を作るために、良い意味で仲間や取引先を取り込んでいきたい」と話しています。

学生時代に関わったPROJECT

「食品開発研究会」

 企業・団体から寄せられる相談をもとに、食品開発を行うプロジェクト。古澤さんは3年次に福岡県糸島市にある白糸農園の規格外ネギを使った「食べるねぎ油」を開発。障がいのある人が継続的に生産できるよう、生産工程の簡素化も目指しました。開発した商品は、博多阪急で販売、現在は糸島市のふるさと納税品にも指定されています。

株式会社岩田屋三越 勤務

上原 咲良
坂口 良太 さん

国際文化学部日本文化学科 2020年3月卒業
福岡県・勇志国際高等学校 出身

プロジェクトを社会人で生きる力を
身につけるための成長の機会に

 坂口さんが在学中に参加したのは、「和歌文学の世界」。自分で和歌1首を選び、詠み人や時代から和歌に詠まれた真意を考察。2回のプレゼンと討論を通じて、核心に迫るゼミ型のプロジェクトです。

 プロジェクトを選択するにあたっては「将来のために何かの形になるものに参加したいと思っていた」という坂口さん。「和歌文学の世界は、単に和歌を楽しむだけでなく、調べて、考察して、発表するというステップがあり、いろいろな人の視点や意見を聞けるのが良いと思いました」。1年間の活動は、振り返ると大きな力になっていました。「自分自身では思いつかないような考えや意見に触れ、広い視野で考える癖が付いていました。同時に、自分の意見を伝える機会が多かったせいか、友人と気の置けない関係性が築けたことも財産です」と振り返ります。

 在学中はプロジェクトに加え、アーチェリー部、学業、アルバイトと精力的に活動。「どんなことにもチャレンジできる体力と時間は大学生の特権。自分で動いただけ得られるものも大きいので、何かやってみるという精神で大学生活を送ると、より充実した4年間になると思います」とアドバイスを送ります。

 現在は、開店から90年近い歴史がある福岡一の老舗百貨店「岩田屋三越」の紳士フロアで企画等を担当。「入社してすぐにコロナによる休業を経験するなど苦しい時期もありましたが、それを乗り越え、大学時代のように各担当者とアイデアをぶつけ合いながら、魅力ある店、フロアづくりに邁進しています」と意気込みを語ります。

学生時代に関わったPROJECT

「和歌文学の世界」

 一人一首の和歌を選び、その和歌の読み人についてリサーチを行うとともに、時代背景を踏まえて考察するプロジェクト。半年間かけて1首を深掘りするため、探究心を高めることができます。同時に、プロジェクトの終盤では、メンバーに自分の考察を伝えるプレゼンテーションを実施。物事を体系的に捉え、伝える力も育みます。