2024年11月28日(木)から12月8日(日)まで、国立新美術館(東京都港区)で開催された、一般社団法人空間芸術 TORAM主催の国際公募展「第14回 躍動する現代作家展」で、建築都市工学部住居・インテリア学科の諫見泰彦准教授が立体部「特別賞」を受賞しました。
諫見准教授は同年4月に福岡アジア美術館(福岡市博多区)で開催された国際公募展で、「躍動する現代作家賞」と「来場者投票1位賞」をダブル受賞し国立新美術館への出展機会を獲得しており、今回は KSU基盤研究の成果検証の場と位置付けて同展に臨みました。
今回の出展作品は、インテリアアート「あかりのありか《えど》」。室内装飾などで使われる「市松」「千鳥」などの伝統的な江戸文様をテーマとした、積み木と LED の構成による異なる 20の造形を、1辺1間(1,820mm)の立方体フレームのショーケースに内包させたもので、6,000個超の積み木を光の反射材と遮蔽材に使い、独特の美しさを醸し出す江戸紫の照明作品です。
この江戸文様をデフォルメ(特徴を強調し簡略化・省略化)し、積み木と LED で表現する方法は、昨年8月に本学で開催したサイエンステクノロジーセミナーに参加した中学生・高校生とその保護者の実習課題として、実践的に検討した研究成果です。
文化庁子ども育成推進事業登録芸術家としても以下のように各地で活動する同准教授は、会期の全 10 日間、展示会場で作品解説や講義を務め、その前半は、子どもたちを中心とした来場者と共同で作品制作を行いました。出展作品が日々変化・成長するというプレゼンテーションは、審査員に高く評価され受賞に繋がりました。
なお、同准教授の研究課題「アート・サイエンスコミュニケーションによる地域貢献に関する踏査と実践」の成果は、2023年に日本建築家協会ゴールデンキューブ賞と九州産業大学学長賞を受賞しました。その後、同年の奥能登国際芸術祭(石川県)、翌 2024 年の無人駅の芸術祭/大井川(静岡県)など、滞在型の作品制作や地域交流であるアーティストインレジデンス事業(競争的外部研究費)に採択されました。
2025年は、国際現代芸術祭 中之条ビエンナーレ(群馬県)に招聘され、廃校になった旧中学校の教室に公式出展作品のインテリアアート、そして同校庭に地域連携作品のランドアート(群馬県立吾妻中央高等学校環境工学科の生徒とのコラボレーション)の1芸術祭で2作品を制作する取り組みが決定しています。
【住居・インテリア学科】