里山保全のために伐採した竹灯籠で古民家を彩りました

 

 工学部住居・インテリア設計学科建築都市工学部住居・インテリア学科の学生11人が、大牟田市の築90年の古民家「旧平山邸」を、竹の中にLED照明を灯した竹灯籠の光で彩りました。
 
 森の荒廃の原因となる放置竹林の拡大を防ぐため、竹を伐採して竹灯籠として活用している「三池光竹実行委員会」と協力して実施したものです。

 「旧平山邸」は、明治期に三池炭鉱の坑木こうぼく※1の製材で財を成した平山家の邸宅で、三池の歴史を物語る建造物でありながら、地元の人にもあまり知られていません。この存在を知ってもらおうと、約500個のLED竹灯籠を、玄関から廊下、中の間、光庭こうてい※2坪庭つぼにわ※3、仏間と順路に配置し、特長ある京町屋風の間取りや家紋入りの建具たてぐ※4、蔵などを、淡い光で浮かび上がらせました。

 この取り組みは、香川治美准教授研究室がNPO法人都市・建築遺産保存支援機構と共同で企画・制作・運営したもので、10月には伐採活動に参加し、約1,300本の竹を切り出しました。

 運営に参加した建築都市工学部住居・インテリア学科3年の山口 猛さん(福翔高校)は、「竹の伐採から切り出しに始まり、灯籠の高さや配置に加え、光の色や形、個数といったデザインについて細部まで打ち合わせしました。2日間で、子どもからお年寄りまで約80人の方々に歴史の重みを堪能していただき、本当にやりがいを感じました」と振り返りました。

 本取り組みは、公益財団法人日本都市計画学会九州支部の2019年度支部長賞を受賞しました。(※2020年7月10日追記)

 

 ※1坑木・・・鉱山や炭鉱などの坑道で支柱に使われる木材のこと。
 ※2光庭・・・採光用の中庭のこと。
 ※3坪庭・・・周りを塀や垣根で囲われた小規模な和風の庭のこと。
 ※4建具・・・部屋や外部との仕切りに用いる、開け閉めすることのできる可動性の障子・襖・窓・戸
       などの総称。

【建築都市工学部】

 

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