里親家庭の支援事業にデザイン学科の学生が参画

 芸術学部ソーシャルデザイン学科では、社会や地域の課題に焦点を当て、デザインの力によって解決に取り組む活動を行っています。

 近年、多くの福祉の現場で、デザインを活用した取り組みが導入されています。同学科井上友子研究室では、学生7名が今年度の全14回の講義を通して、公益財団法人アクロス福岡主催の里親家庭60組を対象にしたイベント「アクロス・こども文化芸術体験2024」内で開催する体験型ワークショップの企画・立案に取り組んでいます。

 同イベントは、さまざまな事情のある子どもたちが文化芸術に触れて、主体的に興味のある事柄を見つけ夢中になることで、自分らしくいられる機会の創出と、彼らを受け入れる里親同士や支援機関とのつながりの場をつくり、憩いのひとときを過ごすことを目的としています。

 現在、日本全体では里親委託率が約20%に留まる一方で、市民と行政の協働により、社会的養育の推進に取り組む福岡市の里親委託率は59.57%(2023年3月現在)と全国1位です。

 しかし、さまざまな理由で養育が困難となり、里親が里子と生活ができなくなる状況も起きています。その背景のひとつに、悩みを相談しづらいといった里親の孤独があります。本イベントでは会場内にグループワークブースを設け、里親同士が悩みをシェアし、専門家とともに解決を図る取り組みも予定しています。

 イベントに先立ち、学生たちは特定非営利活動法人SOS子どもの村JAPANとともに里親家庭問題の現状調査や情報交換を行いました。また、6月5日(水)には、実際に里親をしている方とオンラインで意見交換を行い、当日ワークショップを実施するうえでの注意点やコミュニケーションのコツについて確認しました。

(今回のワークショップにて制作予定のマスコット)

【芸術学部ソーシャルデザイン学科】

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