九産大芸術学部の井上 菊助手の作品「掻落躑躅文鉢(かきおとしつつじもんばち)」が、「第64回日本伝統工芸展」陶芸部門に入選しました。
本展は、昭和29年から続く、伝統工芸の最大規模の公募展で、陶芸部門には721点の応募がありました。
作品「掻落躑躅文鉢」は、伝統技法である「掻き落とし」(※)を使い、ツツジの花をモチーフに仕上げた作品で、茶色のグラデーションの鉢に、“花々から感じる一瞬のきらめき”を表現しました。
井上助手は、「掻き落としは先の尖った道具で模様を描きますが、その線は消すことができないので、一線、一線に集中して制作しました。今後も、『限りある美』の永遠性を自分らしく表現していきたい」と、喜びを語りました。
展覧会は東京を皮切りに順次開催されており、福岡展は来年2月2日(金)〜7日(水)、福岡三越にて開催される予定です。
※陶磁器の表面を削り、異なる色を出して模様にする技法。成形に使う胎土に、異なった質と色の化粧土をかけて工具で掻き落とすことで、むき出しになった胎土部分と化粧土との対比が際立ちます。