室見川の伝統を次世代へ 伊豫岡研究室と地域住民100名がシロウオ産卵場を造成

 2月14日(土)、福岡市を流れる室見川で、本学建築都市工学部都市デザイン工学科伊豫岡宏樹研究室が地域の方々と協力しシロウオ産卵場の環境改善を行う「室見川シロウオ産卵場造成プロジェクト」を行い、本学学生と地域住民約100名が参加しました。

 かつて室見川の春を彩ったシロウオ漁ですが、室見川の環境変化による産卵場所喪失や博多湾の生育環境の変化によりシロウオの個体数が減少し、近年休漁が続くという厳しい状況にあります。本プロジェクトは、単なる環境保全にとどまらず、「地域の宝であるシロウオを、自分たちの手で守る」という強い想いのもと、16年という長きにわたり継続しています。

 当日は、川底が姿を現す干潮の時間帯に作業を開始。参加者は長靴を履いて川に入り、鍬やスコップを手に、泥や砂に埋もれてしまった石を一つひとつ丁寧に掘り起こし、石の裏側に卵を産み付ける習性があるシロウオの産卵場を造成しました。

 参加者は「環境の変化は大きな課題で、今回の活動を通して、どんな問題に対してもまずは自分たちに出来ることは何かと考える姿勢の大切さを再認識しました」「普段、川に入ることがないので、作業自体も楽しかったです。事前の伊豫岡先生のレクチャーをもとに室見川の生き物のことを考えながら作業しました。効果がでることを願っています」などさまざまな感想がありました。

 伊豫岡准教授は「個体数減少の原因は海や川の複雑な要因が絡み合っており、一筋縄ではいきません。しかし、こうして地域の方々と一緒に川へ入り、環境について語り合う場を続けることこそが、課題解決への第一歩です。私たちはこの活動を通じ、市民自らが地域課題に貢献する『市民普請』の枠組みを作り、地域コミュニティを再認識することを目指しています。この協力の輪が、さらなる大きな力になると信じて活動しています」と話します。

【都市デザイン工学科】

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