住居設計実習

住居・インテリア学科

 住居設計実習では、住空間の寸法、木造の基本知識、周辺環境の読み取りなど、基本を学ぶことを意図しています。ここでの設計課題は、超高齢社会での社会参加に積極的なアクティブシニアの場作りを想定した、高齢者が社会とつながる+αのスペースをもつ2世帯住宅の計画です。敷地は、歴史的建造物が立ち並ぶエリア、海が眼前に迫る自然環境が豊かなエリア、好立地な住宅地エリアと周辺環境が異なる3つから学生が選択します。

秘密基地 〜安心から繋がる家族のあり方〜

石田望愛

作品概要:
駅からの利便性もよく人が行き交う住宅地の一角で目の前が公園となっている敷地であり、南側も3階建が建つ、プライバシーを確保するには不利な条件が揃う中、プライベートを守りながら、世帯間の良好な繋がりを持つ住宅を目指した作品です。老人室と+αのスペース及び共用のサニタリーのボリュームと、LDKと子世帯の個室のボリュームとをずらしつつ、その接続部に斜めスリットの光が落ちる吹き抜けで繋げる構成となっています。

街とつながるアトリエ

永田一稀

作品概要:
町屋など歴史的建造物が並ぶ間口が狭く奥行きの長い敷地での計画です。こうした敷地では、光、風を取り込み、良好な住環境をいかに生み出すかが、課題といえます。この作品は、1階のLDKから伸びる階段が吹き抜けと一体で設けられ、2階まで上がると、3階まで伸びる階段へと雁行しながらも接続されています。この、ずれながら長手方向への奥行きを感じさせる階段とその周辺空間から入る光が広がりを生むことにつながっています。

つながりながら過ごす

福田初音

作品概要:
歴史的建造物が並ぶ間口が狭く奥行きの長い、いわゆるうなぎの寝床の敷地形状です。この奥行きの長い敷地に3つのボリュームの屋根がかかり、道路正面は周辺環境を考慮した下屋の店舗ゾーン、その次に個室とサニタリーのプライベートゾーン、さらに奥に家族が集うLDKゾーンと、奥に向かうほどに屋根が高くなる構成です。3つのボリュームに絡めた外部空間や2階のベランダが効果的で、内部から外部を感じる空間となっています。

一杯のぬくもりでつながる家族

南夢果

作品概要:
目の前が公園であり、南側に3階建が建ち日当たりが悪い敷地に対し、中庭を持つことで、プライバシーの確保と快適な住環境の両立が図れています。中庭を介在し、親世帯と子世帯が程よい距離感を保つことも可能となっています。近隣には学校が点在し、公園で子どもたちが遊んでいる環境を活かし、保護者や学生が気軽に立ち寄れるカフェを+αに取り入れたいという設計者の意図が西側のデッキを含めたカフェ空間に表れています。