「八女福島の燈籠人形」10枚目の背景幕を保存会へ寄贈しました

 6月19日(水)、国の重要無形民俗文化財「八女福島の燈籠人形」保存会の方々が本学に来訪し、芸術学部芸術表現学科の3年生を中心に学生9人が制作した、人形芝居の舞台背景幕を同保存会へ寄贈しました。

 本学では八女福島の燈籠人形保存会の要請を受け、2014年から「『八女福島の燈籠人形』背景幕制作プロジェクト」として、福島八幡宮の放生会で上演される人形芝居の背景幕(全20枚)を制作し保存会に寄贈しています。

 今年10枚目の作成となった同プロジェクトは、学生がからくり人形が映えるように、演目名から情景を汲み取ったアイデアを持ち寄り、下絵からデザインするものです。今年は演目「吉野山狐忠信 初音之鼓」よしのやまきつねただのぶはつねのつづみの第三幕「深山夜明けの景」みやまよあけのけいの背景幕で、縦3m×横6mの作品です。

 プロジェクトに参加した3年の堤愛夏まなかさん(筑陽学園高校)は、引き渡し式の挨拶で「この度は八女福島の背景幕の制作に携わらせていただき誠に有難うございます。制作していくなかで、普段の学修では学ぶことのできない地域文化とのかかわりや、ひとつの作品を全員で手掛ける協調性などを学ぶことができ、とても貴重な経験となりました。この活動で得たことを今後の制作にも生かしていけるように頑張りたいと思います」と話しました。

 保存会会長の樋口秀徳氏は「どんな絵を描こうかと学生さんも悩まれたと思います。その中で各々色んなことを経験されて気持ちをもって、横断幕の中に書いていただけたこと感謝しております。地元のみなさんも背景幕ができるのを楽しみにしています。背景幕は地元に持ち帰り、地域の方々に学生さんに作ってもらったことを伝えます」と語りました。

 制作した背景幕は、9月20日(金)~23日(月)に行われる福島八幡宮境内の放生会でお披露目され、人形たちの物語を鮮やかに彩ります。

 ※毎年秋に福島八幡宮(福岡県八女市)の放生会で上演される人形芝居で、約270年の歴史があり、1977年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。このプロジェクトは、約50年間 使用されて損傷が激しい全ての舞台背景幕の再制作を、保存会より委託されたものです。

【芸術学部】

芸術学部のトップページへ