地域共創学部教員「鉄道史学会住田奨励賞」を受賞!

 地域共創学部観光学科菅沼明正講師の論文「紀元二六〇〇年における奈良県の『聖地』参拝者像」が、鉄道史研究の進展に寄与する優れた業績に対して贈られる「第11回鉄道史学会住田奨励賞(第一部門・論文の部)」を受賞しました。

 この論文は、1940年、神武天皇即位の地とされる橿原かしはらがある奈良県に延べ3,800万人の訪問者があったという、これまで謎に包まれてきた戦時期最大級のツーリズム現象を、近畿日本鉄道㈱が保有する史料をもとに、当時の訪問者の特徴と増加に焦点を当て明らかにしたものです。

 第二次世界大戦期、伊勢・橿原両神宮は「皇国の聖地」と宣伝されましたが、奈良近隣府県の人々にとって「聖地参拝」は娯楽を兼ねた戦時下の息抜きの機会だったこと、また国鉄の旅客輸送のひっ迫で団体旅行先の制限があり伊勢参宮旅行者が流入したことが、当時の訪問者の増加につながったと結論付けました。

 菅沼講師は、「鉄道会社の史料を用いた経験がなく、社会学を専門とする私にとって挑戦的な研究でした。鉄道史研究の進展に寄与するとの評価をいただき、とてもうれしいです。今後も意欲的に研究に取り組んでいきたい」と語りました。

【地域共創学部】

 

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