
11月21日(金)、KSU基盤教育科目「実践クロス演習(デザイン思考)」の授業内で、『EggDropコンテスト』が開催されました。
この科目は、文系・理工系・芸術系の学生が交わりながら実践的な演習を行うことを目的とした授業で、社会や企業で実際に活用されている事例を交えながら、「デザイン思考とは何か」を理解し実践する内容です。
本授業では、基本概念の理解から始まり、実践事例を通じて現実の課題に対しチームで解決策を模索し、プレゼンテーションを行います。このプロセスを経ることで、理論だけでなく、柔軟で創造的な問題解決力やイノベーションを起こすためのスキルを養います。
今回のコンテストでは、受講生約30名が10チームに分かれ、「卵を割らずに2階から1階へ落とす」という課題に挑戦。評価ポイントは①軽さ②卵が割れていないこと③着地点の的に近いことの3つです。一般的な成功率が約3割とされる中、結果は10チーム中4チームが成功。好成績を収めました。
優勝は、地域共創学部観光学科2年鶴田智也さん(東福岡高校)、同学部地域づくり学科2年本村煌吏さん(香椎工業高校)、芸術学部ビジュアルデザイン学科1年永松立陸さん(鹿児島中央高校)、同学部生活環境デザイン学科2年丸山泰典さん(戸畑高校)の芸術学部と地域共創学部の異なる学科に所属する4名のチームです。
彼らはチームで検討する中で、パラシュート構造から発想を転換し、ハニカム構造の六角形デザインを採用。上下に緩衝材を配置し、どの向きに落ちても卵に直接衝撃が伝わらないように工夫しました。学生たちは「この授業で初めて出会ったメンバーで楽しく取り組め、良い結果が出て嬉しいです」と語りました。
授業を担当した芸術学部生活環境デザイン学科の清水稔教授は「クリエイティブなことをするのは、デザイナーだけではありません。良いアイデアは質ではなく量を求め、数を重ねてより良いものにしていくことが大切です。多くの人と意見を交わし、試験し、検証する。固定概念にとらわれず、より良くするプロセスこそ重要です」と講評を述べました。
この取り組みは、失敗を恐れず挑戦し、改善を重ねるデザイン思考の本質を体験できる貴重な機会となりました。

【基礎教育センター】




