セブン-イレブン向け惣菜商品の鮮度延長に向けた共同研究

 生命科学部生命科学科中山素一教授とわらべや日洋食品株式会社(本社:東京都、以下「同社」)は、2024年5月から惣菜商品の鮮度延長を目的とした共同研究に取り組んでいます。

 同教授が中心となって推進する「MALDI-TOF MS微生物同定コンソーシアム」は、食品の安全性確保と食品ロス削減を目的に活動しており、本技術は簡便性・迅速性に優れ、かつ低コストでの菌種を特定可能とする基盤技術として確立されています。その有効性が評価され、2024年度内閣府主催「第7回オープンイノベーション大賞」において、農林水産大臣賞を受賞しました。

 同社がセブン-イレブン向けに製造するチルド総菜のカツ丼を対象に、現在の消費期限を1日間に延長することを目指し、本研究では、中山教授が取り組むMALDI-TOF MS(以下「マルディ」)を活用した微生物同定技術を用い、製品および製造環境における菌叢の詳細な分析を行います。

 惣菜業界では、製造から販売までのリードタイムが短く、消費期限の延長は長年の課題とされています。本研究では、マルディを用いて製品および製造環境から分離された菌株を迅速かつ低コストで汚染源をピンポイントで特定し、衛生管理の高度化と鮮度延長の実現を目指しています。

 本研究の成果は、2025年秋頃の商品化を目指し、現在、実際の製品への適用に向けた検証を進めています。今後は、研究成果をもとに、他製品群への展開も視野に入れており、製造現場での廃棄削減や生産性向上など、大幅なコスト削減効果が期待されています。

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【生命科学部/産学共創・研究推進本部】

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