居場所をつくり、共に学ぶ場を

学生の皆さんへ

 

九州産業大学 学長   泰輔

 

 こんにちは。
 まもなく後学期が始まりますね。前学期の成績はどうだったでしょうか?
 リモート授業への対応は大変だったと思いますが、授業についていけたでしょうか?

 さて、今回は皆さんに、後学期を前に一つ勧めたいことがあります。
 それはサークル等の課外活動への参加です。
 すでに加入している人もいると思いますが、改めてお話しします。
 課外活動の良さを理解して、是非後学期からでも考えてほしいと思います。

 まず、このように考えた背景です。
 今年度になって皆さんから各窓口に寄せられた相談内容について大変心配しています。
 5月までは、授業のやり方など、技術的な面での問い合わせが多かったようですが、6月以降、新たな生活様式によるストレスからくる「気力の低下」などに内容が変化してきました。中には、このような不安から困ったことになった人もいるでしょう。例えば、授業についていけず、しかしその悩みを相談できる友達や先輩がいない、そして試験すら受ける気をなくし、単位を落とすことになった。このような学生がいるのではないかと心配しています。

 「大学に入学した意義や価値がわからなくなった」と考える皆さんが少なからずいるのではないかと考えています。

 大学の価値とは何でしょう。
 私は、端的にいうと「仲間と一緒に学ぶ」ことにあると考えます。高校までにはない出会いがあり、その人が一生の友となることもあるものです。そうした仲間と切磋琢磨し、互いに励まし合いながら学ぶこと、これがとても大事だと思います。大学での学びは、かなり高度なレベルを要求しますが、仲間がいるからこそ乗り切れるものでしょう。

 確かに、いわゆるリモート授業でも、学びの内容はある程度カバーできると考えます。実際、皆さんの学習効果が上がるように工夫をしていますし、今後も更に改善していきます。しかし、これが全てではありません。(リモート授業だけで学生生活が終わるなんて悲しいですよね)

 やはり、共に集う・お喋りする・食べる・移動するための場があり、そしてその場にいることで初めて出会った人ともだんだんと親しくなるものです。つまり、顔をつきあわせて関わることのできる場にいることが、大学生活を充実させるために決定的に重要だと考えます。

 そこで、特に1年生の皆さんに対してですが、次のいずれかの場に所属するよう強く推奨します。じっくり考えてみてください。きっと良い出会いがありますよ。

◇サークルに入る
 学部を超えた友達、先輩ができます。後学期からでも遅くありません。加入を考えてください。
感染状況によりますが、予防対策を施した上で、サークルの説明の機会をつくる予定です。なお、スポーツ系と文化系、学友会執行部があります、また部活動だけでなく同好会も沢山ありますよ。

◇ゼミに入る
 基礎ゼミを受講したと思いますが、同じような授業の進め方で、それぞれのゼミのテーマを学びたいという学生が自分で自由に選んで集まる場です。
 ゼミの中では定期的に集まったり、SNSで繋がったりするなど、情報交換が活発です。同じ学科・学年の仲間とは気軽に相談できるでしょう。学科の先輩もSA(スチューデント・アシスタント)として参加しており、授業だけでなく授業外の事についても相談もできます。またゼミ担任とは定期的に面談する機会があり、様々な相談の窓口でもあります。

◇プロジェクトに参画する
 全学で100種類以上のプロジェクトが、教育・研究・社会貢献の様々なテーマに沿って作られています。学部を超えてチームを組み、企業・自治体とも連携しながら、様々な課題解決にあたっています。授業では得られない、学びが沢山ありますよ。

 その他の課外活動、ボランティアなど、何らかのグループに入ることを勧めます。もちろん複数のグループに所属してもよいでしょう。
 詳しくは担任、または学生部に気軽に尋ねてみてください。

 心配事があれば、身近な友達の他、大学に窓口あり、担任もいます。どのようなことでも構いませんので相談を寄せてください。

 なお、いわゆる部活クラスターにより、世間からいわれのない非難を浴びている大学や高校があります。誰でも感染するリスクがあるし、感染したからといってその人が悪いわけでもありません。憎むべきは人ではなく感染症です。
私たちは、皆さんの人権を尊重します。差別や偏見には毅然とした態度で臨みます。具体的な事案があれば、これも相談してください。

以  上

※参考:令和2年度後学期の授業について【令和2年9月2日更新】

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