ICT活用自治体コミュニティバス運行支援 沖縄で開始

 沖縄県うるま市で、理工学部情報科学科稲永健太郎教授研究室などによるICTを活用したコミュニティバスの利用状況調査と、車両位置情報提供システム(バスロケーションシステム)の運用が、11月1日(月)から始まりました。 

 稲永研究室をはじめとする地域公共交通運行支援グループは、2013年度から自治体の依頼により、独自に開発したアプリを使ってバスの利用目的や乗降者数などの利用状況を調べており、これまでも福岡県を中心に17の自治体で運行を支援してきました。今回、日本工営株式会社と連携のもと、九州大学情報基盤研究開発センター応用データ科学研究部門内林俊洋助教らの協力を得て、沖縄県での導入が初めて実現しました。

 うるま市には現在、市役所や公民館など公共施設を結ぶ2つのコミュニティ路線がありますが、住民からは便利で使いやすいルートの構築が求められてきました。今回の実験では、ショッピングモールやスーパーなど買物施設に乗入れる新たな4路線を試験的に開設し、乗降客数を調査するとともに、乗りたいバスの現在の位置がスマートフォンなどで確認できるバスロケーションシステムのサービスの有効性も検証します。

 停留所の位置や、時刻表などのバスロケーションシステムの基礎データ(GTFS-JPデータ)を作成した情報科学科3年の二ノ宮光さん(佐土原高校)は、「沖縄に行ったことはありませんが、学んでいる知識や技術が、離れた場所の住民の役に立つかもしれないという事実がとても嬉しく、その気持ちをモチベーションに取り組みました」と話していました。

 また同学科3年の竹本結賀さん(香椎高校)は、「作業は修正依頼もありとても大変でしたが、二ノ宮さんと協力したからこそ出来たと感じています。自分たちが携わったシステムを実際に住民が使っている様子を見てみたいです」と話しました。 

 稲永教授は、「地域の公共交通を取り巻く環境をは年々厳しさを増していますが、ICT情報通信技術で少しでも運行状況を改善したいと取り組んでいます。研究室のマンパワーで出来ることには限りがありますが、地域の住民の足をしっかりと確保できるよう、学生と共に頑張っていきます」と語りました。

 調査は来年3月末まで行われ、集まった情報は、自治体のルートの見直しやダイヤの改正に活用されます。 

【理工学部】

 

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