九州産業大学、北九州市立大学、九州工業大学の3校共同で、インテリアデザイナーの吉田恵美氏を講師とした「建築インテリアデザイン・ワークショップ」を開催し、建築都市工学部住居・インテリア学科の3年生6名がハイエンドキッチンのインテリアデザインに挑戦しました。
吉田氏は、米国ニューヨークでインテリアデザイン事務所 「YZDA」 を創業し、世界各国、多様な施主のためのインテリア建築デザインやプロダクトデザインを手がけ、 アートコンサルタントとしても活動しています。
同ワークショップの課題は、ミシガン州湖畔に住まう富裕層夫婦の一戸建住宅における「キッチンアイランド」「キャビネットドア」「キッチン水栓」を、大学3年~大学院修士課程2年までの2~4名のチームで設計・デザインし提案するものです。吉田氏が実際に手がけ、実現させたプロジェクトの一部を用いた課題に、受講生は、多様な背景を持つ施主の生活環境やライフスタイルにおける『ダイバーシティ』などリアルな配慮にもとづく提案が求められます。9月13日(金)の課題提示から4週間オンラインエスキス※を経て、デザイン・設計をまとめました。
最終日の10月13日(日)にはTOTOミュージアム(北九州市)に3校5チームが集まり、吉田氏とTOTO株式会社市場開発課の小竿氏、大英産業株式会社建築本部の森若氏、他大学の受講生や教員に向け、対面で提案プレゼンテーションに挑みました。
本学から3名1組の2チームが登壇。チーム『台所春希』は、施主の将来的な家族構成を考慮し、キッチンと広めのダイニングを連動させたプランを提案。豊かな自然や湖畔沿いという立地に馴染むよう、天板、把手、照明、水栓の素材や形状にもこだわりました。チーム『harumi Kitchen』は、立地場所であるミシガン州の四季について事前調査を行ったうえで、同じく「自然」をテーマに複数の木材を組み合わせた開放的なキッチンを提案。施主の年齢や持病の設定も考慮し、各所にユニバーサルデザインを取り入れました。
学生によるプレゼンテーションの後、吉田氏は「デザインに際し、環境や施主についてよく調査・分析ができておりとても良かったです。設計・インテリアデザインにおいては『育む空間』を創ることが重要です。『人』を大事にし、相手のことをよく見てデザインすることを今後も心がけてください」と講評しました。
ワークショップを受講した森陽菜さん(筑前高校)は「キッチンの設計は初めてだったのでとても新鮮でした。私は高齢者や障がい者向けの設計に興味があるので、今回のワークショップで学んだ『相手のことをよく知ってデザインを考える』という視点を今後生かしていきたいと思います」と話し、石橋洸さん(城東高校)は「最初はプランニングがまとまらず苦労したのですが、ハイエンドデザインに適した素材を考えるのも良い経験になりました」と振り返りました。
※エスキス:自分のみ、あるいは講師やチームメンバーなどと行う設計・デザインのための思考行為
【住居・インテリア学科】