山下教授「令和5年度土木学会論文賞」受賞!

 建築都市工学部都市デザイン工学科山下三平教授が、公益社団法人土木学会の「令和5年度土木学会論文賞」を受賞しました。

 本賞は、土木学会誌、土木学会論文集、その他土木学会の刊行物に研究、計画、設計、施工、考案、維持管理などに関する論文を発表し、独創的な業績を挙げ、土木工学における学術・技術の進歩、発展に顕著な貢献をなしたと認められる著者に授与されるものです。なお、同学会は1914年に創設され、論文賞は1920年から続く歴史ある賞です。

 同教授が京都先端科学大学、京都大学、(公財)京都市都市緑化協会の研究者と共に発表した論文「伝統的雨庭としての相国寺裏方丈庭園の雨水管理性能の実測と評価」は、京都の相国寺裏方丈庭園を対象に雨水収支の実測評価と要因分析を試み、それに基づく新しい雨庭デザインの提案を行ったものです。

 審査員は「流域治水び分析手法を日本古来の庭園に取り入れ、貯留・浸透機能などに関しての定量的な分析評価を行い、高い浸透機能の持続に寄与することを明らかにしている。枯山水庭園の雨水管理性能という新たな価値を提示し、文化的伝統施設を科学的に位置付けることに成功した点は、着眼点が斬新かつ先駆的で高い学術的新規性が認められる。加えて、浸透機能の観点からの雨庭デザインへの展望を提示するなど、質の高いグリーンインフラの構築に向けて今後の発展や普及が見込める成果が得られている。本論文は学術面と実務面に対する貢献がともに高い水準にある」と本論文を高く評価しました。

 山下教授は「110年の歴史をもち、約4万人の会員数を誇る土木学会で、私たちの雨庭の研究が高く評価されたことは大変ありがたいことです。これをきっかけに温暖化豪雨対策・流域治水の要素技術として、雨庭の普及に弾みがついて欲しいと思います。なお、本学にも2022年に雨庭(CELL)を実装しました。多くのみなさんに、ぜひご覧いただきたいです」と受賞後の感想を述べました。

【建築都市工学部】

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