住み開きにより「対面」でのコミュニケーションを促す共用空間

住居・インテリア学科

■作品の概要

松野尾研究室 小湊大地

受賞:福岡県建築士会賞

コンセプト:
近年の閉鎖的な住環境により、地域コミュニティの希薄化️が進む中、SOHOでの仕事やこだわった趣味を持つなど、アクティブに活動している人たちを対象者に、集合住宅の共用空間において、住民同士やまちの人達が「対面」する機会を増やし、コミュケーションの場を創出することを目的とした作品です。平面的にも断面的にも、ずれが生じる構成とし、住み開きによる住人同士の生活の一部やひと時を共有することができる提案としています。

講評:
日常生活を取り戻したアフターコロナにおいて、コロナ禍での物理的距離の確保がもたらした心理的距離感が人々に残り、人間関係の希薄化に拍車をかけているのではという問いが構想の発端となっています。平面的、断面的なずれを利用した視線制御でプライバシーを守りつつ、共用部に対し生活の一部を住み開くことで、コミュケーションの場を創出することを目指した作品は、鉄扉が並ぶ閉鎖的な集合住宅へのアンチテーゼともいえます。