3年ぶりに「八女福島の燈籠人形」背景幕を保存会へ寄贈しました

 

 6月22日(水)、国の重要無形民俗文化財「八女福島の燈籠人形」保存会の方々が本学を来訪し、芸術学部芸術表現学科の学生21人が制作した、人形芝居の舞台背景幕を同保存会へ寄贈しました。

 保存会からの依頼を受け、2014年から行っている「『八女福島の燈籠人形』背景幕制作プロジェクト」※1ですが、新型コロナウイルス感染症の影響で2年間上演が中止となったため、背景幕の引き渡しは3年ぶりで、中止となっていた2年間で制作した背景幕の引き渡し式を実施したものです。

 寄贈した背景幕は、今年の舞台演目である「春景色筑紫潟名島詣はるげしきつくしがたなじまもうで」の第二景「名島の景」【写真下】(2020年度完成)と第三景「名島帆柱石なじまほばしらいしの景」【写真上】(2021年度完成)で、縦3.0m×横6.3mの作品です。「名島の景」は春が訪れた名島城の情景を、「名島帆柱石の景」は名島海岸の荒波の中で金雲の切れ間から夕日に染まる帆柱石※2の様子を描いています。

 原画を担当した3年の渡邊千尋さん(唐津青翔高校)は、「まずは開催が無事に決まってほっとしています。背景幕を背にした燈籠人形がより生き生きと美しく見えたらうれしい。上演会がとても楽しみです」と話しました。

 保存会会長の樋口秀徳氏は、「学生の皆さんの協力によって立派な背景幕が完成し、感謝しています。今年は3年ぶりの開催で地元の方々の期待も大きいため、大成功させたい」と語りました。

 制作した背景幕は、9月22日(木)~25日(日)に行われる福島八幡宮境内の放生会でお披露目され、人形たちの物語を鮮やかに彩ります。

 ※1 毎年秋に福島八幡宮(福岡県八女市)の放生会で上演される人形芝居で、約270年の歴史が
    あり、1977年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。このプロジェクトは、約50年間
    使用されて損傷が激しい全ての舞台背景幕の再制作を、保存会より委託されたものです。

 ※2 植物の化石である珪化木のことで、船の帆柱が化石になったものとされています。

【芸術学部】

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