「八女福島の燈籠人形」背景幕 いよいよ二幕目

 

 9月3日(水)、九産大芸術学部芸術表現学科2年の学生6人が、「『八女福島の燈籠人形』舞台背景幕修復・制作プロジェクト(※)」で制作した今年の演目「吉野山狐忠信初音之鼓よしのやまきつねただのぶはつねのつづみ」の第二幕「吉野山桜の景よしのやまさくらのけい」の背景幕を、同保存会に贈呈しました。4月から取り組んだこの作品は、9月22日(土)~24日(月・祝)の公演で使用されます。

 保存会からの要請を受けて2014年に始まったこのプロジェクトは、4つの演目20枚の背景幕を毎年一枚ずつ制作するもので、昨年までに4演目の第一幕の制作が完了し、今年から各演目の第二幕に取り組んでいます。

 学生たちは、画面の奥行きや空間の広がりを感じてもらおうと、縦3.1m×横5.3mの背景幕に、桜の花びらの大きさや色合いに変化を加えながら、花びら一枚一枚にこだわって描きました。

 リーダーの山口智貴さん(ヒューマンキャンパス高校)は、「メンバー6人が分担して描いているため、タッチを合わせて、一枚の作品として醸し出す雰囲気を統一するのに苦労しました。重要な文化事業に関わることができたのは、とても意義のあることだと感じています」とプロジェクトを振り返りました。

 保存会会長の牛島和良氏は、「歴史を紡いでいく中で、芸術学部の学生の技術はとても貴重で、伝統文化の継承にはなくてはならない存在です」と語りました。

※八女福島の燈籠人形は、毎年秋に福島八幡宮(福岡県八女市)の放生会で上演される人形芝居で、約270年の歴史があり、1977年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。このプロジェクトは、約50年間使用されて損傷が激しい全ての舞台背景幕の再制作を、保存会より委託されたものです。

【芸術学部】

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