柿右衛門様式窯で60回目の窯開きを行いました

 

 7月17日(水)、九州産業大学柿右衛門様式窯で、窯開きを行いました。窯開きは2000年から実施しており、今回で60回目を数えます。

 10日(水)の窯入れから22時間まきを燃やし続け、1,230度にまで達した窯は、5日経ってもまだ熱気が残っており、学生たちは汗だくで、チームワーク良く次々と作品を取り出しました。

 この日窯から取り出した作品は、芸術学部の学生と、本学開催のウイークデー・キャンパス・ヴィジット(WCV)に参加した高校生や陶芸講座に参加した地域の方々など、109人が制作した約500点です。

 興味深そうに眺めていた香椎在住の女性は、「陶芸講座で初めてろくろを回して、湯飲みを作りました。口当たりが滑らかになるように、厚みや曲線にこだわりました。出来映えに満足です」と、取り出された自分の作品を手に笑みを浮かべていました。
  
 陶芸をやりたくて九産大に入学したという芸術学部生活環境デザイン学科2年の馬場麟汰郎りんたろうさん(有田工業高校)は、「ろくろを使わずに手で粘土をこねる手びねりで花器を作りましたが、4年生が制作した大きなつぼのインパクトに圧倒されています。来年は大皿を作ってみたい」と、次の作品への意欲を語ります。

 指導する梶原茂正フェロー教授は、「毎年、先輩から後輩に陶芸の技術が継承されていくのを間近で見て、歴史の重みを感じています」と、伝統的な窯を使った実習の大切さを語りました。

 

◆九州産業大学柿右衛門様式窯
 登り窯と単窯の機能をあわせ持つ薪窯で、2000年10月に設置しました。これは、当時、本学大学院芸術研究科教授だった故・十四代酒井田柿右衛門氏が「芸術を志す若者たちに、伝統工芸の奥深さを直に感じてもらいたい」と、門外不出の柿右衛門窯を踏襲して設計された、日本で唯一のものです。

ウイークデー・キャンパス・ヴィジット(WCV)・・・大学生が受けている通常の授業を一緒に受講する、「1日大学生になる」教育プログラム。

【芸術学部】

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