五感で平和を考える「ヘイワノラムネ」が誕生

 芸術学部ソーシャルデザイン学科伊藤敬生研究室は、五感で平和を体感する「PIECE of PEACE(ヘイワノカケラ)」プロジェクトの一環として、有限会社古田勝吉商店(長崎市)、小松飲料株式会社(唐津市)と共同で、日本最古級の歴史を持つ長崎の「御手引(おてびき)ラムネ」のデザインを復刻し、当時のラムネの味を再現した新プロダクト「ヘイワノラムネ」を制作しました。

 明治初期に長崎で誕生した「御手引ラムネ」のラベルには「二人の手が握手をする」デザインが描かれており、創業者・古田勝次氏の「世界中の人が仲良く手を握り、平和にラムネを飲める世の中になってほしい」という願いが込められていました。「ヘイワノラムネ」の新ラベルは、歴史ある「握手」のモチーフを継承しつつ、重なり合う手が平和の象徴である「ハト」を形作る意匠へと進化させました。また、味についても小松飲料に保管されていた明治時代のレシピをもとに、当時の風味を再現しています。

 4月29日(水・祝)、長崎原爆資料館内「ピースカフェ」での提供開始に合わせ、同日お披露目トークイベントを開催。伊藤教授と古田雅義氏(古田勝吉商店)、小松三郎氏(小松飲料)が登壇し、ラムネの歴史から開発までの経緯を紹介しました。会場では、海外からの来場者をはじめ、子どもから大人まで幅広い世代の方々が「ヘイワノラムネ」を手に取り、歴史と願いが詰まったその味を体験しました。

 終戦80年を迎えた2025年に始動した本プロジェクトでは、これまでに「被爆樹木」を題材に、被爆樹木の音を収録した映像(聴覚)、お香(嗅覚)、お守り(触覚)、絵具(視覚)など、五感に着目したさまざまなプロダクトを企画してきました。今回の「味覚」を担うラムネの完成により、平和を多角的に体感できる試みがさらに深化しました。

 伊藤教授は「ヘイワノラムネは、飲んだ人がそのストーリーを伝え広げてくれることで平和についての会話が生まれます。平和を創ることは大きな問題に思えますが、まずは相手を理解しようという気持ちで、ラムネを飲みながら対等に語り合う。それこそが平和への第一歩だと信じています」とヘイワノラムネに込めた想いを語りました。

【ソーシャルデザイン学科】

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