住居・インテリア学科1年次集中講義科目「フィールドツアー実習」

教務部


 建築都市工学部住居・インテリア学科1年次集中講義科目「フィールドツアー実習」の学外授業は、JR九州(門司港駅)、プレミアホテル門司港(門司港ホテル)、関門海峡ミュージアム(旧大阪商船三井・旧大連航路上屋)と連携して、9月8日(木)から、14日(水)まで、50名の履修学生を5グループ(5回)に分けて※、北九州市門司区の門司港レトロ地区において実施しました。

門司港ホテルは、建築の世界的な賞であるプリツカー賞を受賞したイタリア人建築家のアルド・ロッシ氏が設計し、インテリアを内田 繁氏、リノベーションを野沢 誠氏が手掛け、門司港レトロ地区や関門海峡の景観によく溶け込んだ外観のホテル建築です。学生は各々の宿泊室を実測するとともに、ホテル内のバンケット(大規模宴会場・会議場)、レストラン、チャペル、茶室そしてリノベーション工事中の宿泊室などを、プレミアホテル門司港 宿泊部シニアマネージャーの堀 総一郎氏の解説で見学しました。

門司港駅は、大正3年(1914年)に当時の門司駅として建てられ、わが国の鉄道駅として初めて重要文化財となったネオ・ルネサンス様式を基調とした駅舎建築です。門司港駅は平成31年(2019年)3月にリニューアルオープンしましたが、学生はその際の復原工事※に携わったJR九州 建設工事部施設課の松原岳弘氏、門司港駅副駅長の米藤太一氏らの、貴重な工事記録を資料とした講義を受けた後、同氏らの解説を聞きながら待合室、食堂、貴賓室、貴賓室次室そして次室小屋裏などを見学しました。

この実習に参加した住居・インテリア学科1年生の副島 和さん(中村学園女子高校・福岡県)は、「門司港駅の壁紙は、建設時の資料を参考に、当初使われていた色や柄など再現していて、とてもこだわりを感じました。門司港ホテルは、客室を減らしてでも茶室を作るなど、お客様の宿泊だけでなく、地元の方々との交流や親しみを与えるような場所を作っていることにすごく感動しました。」 

同じく浦馬場 成さん(長崎工業高校・長崎県)は、「門司港駅の歴史などを学びながら見学したことで、何も知らずに駅に着いた時とは駅の見方が変わり面白かったです。建設時の姿に復原するために細部まで様々な調査が行われており、その重要性を学ぶことができました。門司港ホテルのレストランに続く廊下の天井などに鏡が使われ空間が広く見えて、とても面白いつくりになっているなと思いました。他にも様々なこだわりある装飾を見学でき、とても良い経験になりました。」と見学の感想を語りました。

なおこの実習は、「福岡県内実施(越県しない)」「少人数実施(1回10人前後)」「個室宿泊」そして「体温管理」「マスク着用」などのコロナ対策を執った上で実施しました。

※JR九州では「復元」ではなく「復原」という語を公式に使用しています。