「素材特性を活かした漆工品の研究」

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研究シーズの紹介
漆器の素地として主だった素材に木材がある。箱などを制作する「指物」には針葉樹が一般的に用いられるが、一方で一木(いちぼく)でお椀などの丸物を制作する「挽物」には広葉樹が使用されることが多い。針葉樹の夏目と冬目の硬度差から表面を平滑に仕上げることが難しいことと、材質が柔らかく傷つきやすいことが理由である。そこで改めて挽物の素地として針葉樹を用いる有用性について考察と検証を行った。
今回、秋田杉の幅広材が入手できた為、材としての軽さに着目して直径450mmの拭漆仕上げの盆にそれを用いてみた。形状は簡素な形状として和洋を問わず使用できるようにし、挽目をつけることにより傷を目立たせない手摺とした。完成時の重量は810gと同寸法の樹脂製品と比較しても軽く、持ち上げた時の印象も同様である。器の種類と用途によるが、針葉樹を挽物素地に用いる利点はあるといえる。
Point
素材の見直し
- 漆器素地としての針葉樹の活用方法の提案。

期待される活用シーン

その他の研究テーマ
- 紙工技術を用いた製品開発