聞き、話すことを通した「生きづらさ」への民俗学的アプローチ



キーワード
研究シーズの紹介
本研究は、「聞き書き」と「話し合い」の手法を用いて、誰もが日常生活のなかで抱きうる「生きづらさ」の克服に民俗学的にアプローチするものです。
日本民俗学を体系化した柳田國男は、「何故に農民は貧なりや」という問いを根本的な課題としてこの学問を構想しました。さらに柳田は、人びとが互いの実情を知り合うことで貧窮した人が孤立することを回避し、共同して自分たちの問題を解決することができると考えました[及川2023:43-46]。
他人の生活史や経験の語りに耳を傾ける「聞き書き」や、日常生活の中にある様々な問題を共有するための「世間話」は、現代においても私たちが抱える「生きづらさ」にともに立ち向かうための手段となりえます。このような観点から、民俗学的手法を彫琢し、聞き、話すことに実践的に取り組んでいます。
Point
話し合いによる経験と問題の共有
- 他愛ない世間話を出発点として、切実な「生きづらさ」に向きあいます。
- 聴き、話し合うことで、〈私〉の地べたから他者との繋がりを構築します。

期待される活用シーン

その他の研究テーマ
- 旧産炭地筑豊における炭鉱労働者の経験の語り継ぎ