「素材特性を活かした漆工品の研究」

「素材特性を活かした漆工品の研究」

12. つくる責任、つかう責任

キーワード

  • 工芸素材、プロダクトデザイン

研究シーズの紹介

漆器の素地として使用される素材に木材がある。箱などを制作する「指物」には針葉樹が用いられるが、お椀などの丸物を制作する「挽物」には広葉樹が使用されることが多い。針葉樹の夏目と冬目の硬度差から表面を平滑に仕上げることが難しいことと、材質が柔らかく傷つきやすいことが理由である。そこで改めて挽物の素地として針葉樹を用いる方法について考察と検証を行った。直径450mmの拭き漆の盆に和紙肌塗りを施し、重量の変化から耐久性の比較を試みた。
一般的に漆芸の分野では素地(木材や和紙など)に漆を染み込ませるほど耐久性が高くなると考えられているためである。一方で自然含浸で木地に染み込ませられる漆量には限界がある為、和紙肌塗り(木地に漆で和紙を張り込む技術・表現)を施すことで、より漆を染み込ませることにした。重量の変化は拭き漆の仕上げのものが810g、和紙肌塗り(典具帳1覆:9g、拭き漆2回)により850gとなった。

Point

素材の見直し

  • 漆器素地としての針葉樹の活用
  • 和紙を併用することによる耐久性の向上

期待される活用シーン

その他の研究テーマ

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