都市病、都市と地方の二元格差と公的サービスの「コスト病」 ――政治経済学の視点



キーワード
研究シーズの紹介
本研究は、「サービス経済」および「経済の金融化」の進行を背景に、主要国家においてますます深刻になる都心と地方の二元格差(経済社会格差と人口の流出)の経済的原因を、公的サービス供与の「コスト病」に求める。
労働過程と技術革新の経済的特徴として、資本の有機的構成の高い公的サービスの供与部門の労働生産性の上昇は製造部門より緩慢である。結果、同じ質の公的サービスを維持するための相対費用は持続的に上昇する。この費用は財政基盤がより脆弱な地方を逼迫し、公的サービスの質の維持を困難にする。結果、中央政府が有効な再分配策を打たないかぎり、人口はますます良質な公的サービスを安定に供与できる都心部に流出してしまう。
Point
公的サービスの「コスト病」
- 公的サービスの供与部門の労働生産性の上昇が製造部門より遥かに低い。
- 良質な公的サービス供与を維持するための相対費用の上昇が激しい。

期待される活用シーン

その他の研究テーマ
- 「サービス経済」における流通費、研究開発費と独占価格に関する研究