「福岡市美術展」デザイン部門で福岡市長賞を受賞!

 

 芸術研究科博士前期課程を今春修了した陶炫程とうげんていさん(中国出身)の作品「ストランディング」が、「第52回福岡市美術展」のデザイン部門で最高位の福岡市長賞を受賞しました。

 受賞作は、新型コロナウイルスが感染拡大している中、食事の宅配サービスを利用した中国人留学生の主人公と中国人の配達員との出会いからすれ違いまでを描いた、約10分の映像作品です。

 

 コロナ禍において誤解が解けないままさまよう2人の姿を、海生哺乳類が座礁したり死んだ状態で漂着し、自力で本来の生息域に戻ることができなくなるという「ストランディング」になぞらえています。コロナウイルスによって2人の縁が結ばれるとともにお互いの信頼関係も失ってしまった「禍福倚伏かふくいふくのありさまを、ナレーションを多用しながら表現しました。

 審査員からは、「クローズアップの手法で緊張感のある画面を構成し、マスコミの語りをナレーションとすることでストーリーに容易さとメリハリを持たせている。さまざまな事象が不条理に感じ本質が見えなくなるコロナ禍において、その心の機微と矛盾を表現した点が秀逸である」と評価されました。

 陶さんは、「現在は地元の中国に戻り、大学で教鞭をとっています。これを励みに、さらに良い作品を制作できるよう努めます」と語りました。

 ※福の中に禍が潜み、禍の中に福が潜むように、災いと幸せが順繰りに訪れること

【芸術学部】

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