理想の表現を目指して―世界に羽ばたくアーティスト

九産大を進学先に選んだ理由は?
最初は造形短期大学部に入学し、その中で絵画と出会いました。学びを深める中で、さらに幅広い分野に触れ、表現の可能性を広げたいと考えるようになり、より多角的な学びを得るために九州産業大学へ編入しました。
普段のキャンパスライフを教えてください。
授業以外の時間は、ほとんど制作やアーティスト活動などに充てています。大学生として過ごせる限られた時間の中で、毎月必ず目標を設定し、それに向けて計画的に制作や活動を進めています。
(右画像:2025年、gallery otherで企画したグループ展のオープニングパーティにて・本人左端)

毎月の目標とは具体的にどのようなものでしょうか?
私は常に、自分にリスクを課して何かに挑戦する姿勢を維持していくことを心がけています。成功やチャンスをつかむために、自ら「種をまく」ような行動を意識しており、その結果としてさまざまなことが決まり、自然と目標に向かって取り組んでいます。この過程を自分の中に秘めておくことで、外部で消費されることなく、実現そのものに集中できると考えています。
(右画像:2024年、なみきスクエアで開催の東区芸術文化祭にて卒業制作の作品展示)
大学での学びは創作活動にどう生かされていますか?
大学では基礎的な技術や考え方を学ぶ機会が多く、その知識をどのように応用・発展できるかを常に考えています。授業だけでなく、先生方とのやり取りの中でも参考資料やアドバイスを頂くこともあり、それらを自身の作品制作に取り入れています。

アーティストとしての創作の軸があれば教えてください。
私が心がけていることは、あえて「何も意識しない」ということです。日常やライフスタイルの中で得られるものを受け止めて考え、選び取っていくことが「生きる」という行為だと考えています。
常にアンテナを張り、事象であれ概念的なことであれ、自分に影響を与えるものをしっかり咀嚼し、その結果が作品制作時に自然と表れる、というのが私の姿勢です。また、「生きていることを受け止める」ということは同時に「死に向かうことを自覚すること」でもあり、そうした感覚が作品の本質に重みを与え、人生の余白のようなものとして表現されていると考えています。
学外ではどのような活動に取り組んでいますか?
作家活動をメインに、アートに関連したイベント主催の他、展示企画のディレクションやアーティストのキュレーション※1などを行っています。
また、SNSを通じてファッションブランドなどのモデルを務めたり、美容学校のショーに出演したりもしています。
個人的な活動の一環としてさまざまな展示を行ってきましたが、卒業後に活動していくためには、公募展で入選や入賞することが必要だと感じるようになりました。
その中で学生のうちに評価を得ることも大切だと考え、初めて応募した公募展「CENRITA ART AWARD 2025」※2で作品が評価され、バンコクで展示いただくことになりました。
■2024年に企画し、参加したグループ展「EDENs2024」
※1 美術作品や展示を企画し、構成する過程。テーマやコンセプトに基づいて作品を選び、展示空間を設計することで、観客に特定のメッセージや体験を提供するもの。
※2 J.フロント リテイリング株式会社とタイ・セントラルグループによって日本とタイで共同開催された公募展。両国の専門学校、大学生、大学院生を対象として、将来の芸術文化を担う若き才能の情熱と挑戦を世界に発信することを目的とする。


入選した「CENRITA ART AWARD 2025」にあたって苦心したことなどはありますか?
日頃の積み重ねが評価された結果だと感じています。国外の空気感や文化、現地の人々とのコミュニケーションから新たな視点を得られたこと、そして海外での展示や企画に挑戦できたことは、自分にとって大きな一歩だと考えています。
(右画像:2025年、バンコクのセントラル・チットロムイベントホールでの展示風景)
今後の進路について教えてください。
卒業後は、数年ほど海外に拠点を移し、日本だけでなく海外でもアーティストとしての活動を展開していきたいと考えています。
また、現在続けているグラフィックデザイン、モデル業、クリエイティブディレクションなどにも力を注ぎながら、多くのことを学び吸収し、自分の理想を目指していきます。その過程では、出会う方々への感謝の気持ちを忘れず、信念を曲げることなく挑戦し続けます。

(Ren ehara公式Instagram)https://www.instagram.com/__renehara?igsh=MWk5NDNzazl1NzFsaw%3D%3D&utm_source=qr