10月19日(土)、20日(日)に造形短期大学部の学生が、アクロス福岡(福岡市中央区)で開催された「ふるさとの民工芸品を未来へつなぐ展」の企画展示を行いました。
同イベントは、福岡県内の工芸品・民芸品37品目の認知度を高めるとともに、工芸品を取り巻く現状や新しい視点で見つめた取り組みについて伝え、工芸品を未来へつなぐために何ができるかを考えることを目的としたものです。
本学学生による企画展示『籃胎漆器を未来へ』では、学生が籃胎漆器の産地を訪れ、生産者へのインタビューと生産現場の取材により制作した動画とともに、未来の暮らしに溶け込む籃胎漆器を学生の視点で考案しました。「衣」:籃胎漆器の編み方を現代ファッションに取り入れるデザイン、「食」:日本の四季を感じる籃胎漆器の弁当箱、「住」:住環境の和室に籃胎漆器を仕上材として取り入れる案など、3つのテーマに沿った新しいアイデアをパネルで展示しました。
【プロジェクトメンバーコメント】
◆造形芸術学科2年 近藤真生さん(大分豊府高校)
「このプロジェクトに参加して、福岡県の工芸品の現状を知ることができました。展示内容を考える際、『工芸品を現代の私たちの目線から広めたい』という思いで企画を考えました。提案した籃胎漆器の紅葉と桜の形をしたお弁当箱や籃胎漆器の有効活用について来場者とお話しする場面があり、工芸士とデザイナーが一緒に作品展開したり、現代の日常生活において工芸品の取り入れ方を提示したりすることで、工芸品の魅力が伝わるのではと考えるきっかけとなりました」
◆造形芸術学科2年 張 遠さん(中国出身)
「工芸品に新しい時代の意義を与えたい、という思いでこのプロジェクトに取り組みました。その中で、福岡県の工芸品は単なる製品ではなく、福岡の過去と未来の発展を反映したもので、継承していく必要があると気付きました。 母国中国にも漆器はありますが、制作手法や模様は異なります。伝統工芸は文化交流の結果でもあると考えます。伝統的な技術と現代的なデザインを結合することで、クリエイティブ産業の発展を促進することができます。今後は、伝統工芸からインスピレーションを得て、それを現代の材料やデザイン理念と結びつけ、実用性と美学的価値を兼ね備えた新製品を創造していきたいです」
製作動画はこちらからご覧いただけます。
【造形短期大学部/産学共創・研究推進本部】