福山教授が専門とする「商環境」は、展示場やショッピングモールなど、住居以外の幅広い空間だ。では、商環境の設計において、大切なこととは何だろう。「お客さまを一番に考えること」。そう、それが大事。一般的には、商空間は、お客さま目線や売上げアップなどを考慮してつくられる。だが「本当にそれだけでいいのだろうか」と福山教授は疑問を投げかける。「"働く人"という視点こそ大切なのではないか」と。商空間には、必ず働く人がいる。住居より、職場で過ごす時間の方が長い人も多い。その職場が、働きにくく、居心地の悪い場所だったらどうだろう。「働く人が気持ちよく、プライドを持って働ける空間とは、どうあるべきかを考えています。普段の自分より、少しだけ理想に近いかっこいい自分を表現できるステージを提供したい。ストレスなく働くことで、結果的にお客さまにとっても気持ちよく、売上げや利益に結びつくと思います。その環境を実現するためには、空間設計だけでなく、ネーミング、ロゴやポスターのデザインなど何でもやりますよ」と福山教授は語る。
