STUDENT MESSAGE

より精度の高いものづくりを目指してマシニングセンタの運動誤差の特性を解明。

理工学部 機械工学科
  • 子どもの頃から機械が好きで、自転車を分解したり組み立てたりして遊んでいました。九産大は、機材が充実しているので、製造の現場で使われている機械を触れるのは、楽しいし、いい経験になりました。就職は、"好き"を生かせる自動車の部品を製造する会社に決まりました。入社後は、CADやCMAを使って設計をする予定です。幸い内定をいただいたのが、卒業研究のテーマを決める前だったので、卒業研究は、卒業後の仕事に直結するプログラミングや制御に関わりのあるテーマを選びました。それが、「直接加減方式によるマシニングセンタの直線保管工具経路の運動誤差に関する研究」です。

    具体的には、マシニングセンタ(以下MC)という工作機械で輪郭を精密加工する際に生じる工具経路の運動誤差を推定するシミュレーション方法を提案し、また、シミュレーション結果を実測したMCの運動軌跡と仕上げたワーク輪郭の形状誤差と比較することにより、提案した運動誤差モデルとシミュレーション方法の妥当性を示す研究です。分かりやすく言うと、MCは、複数の切削加工を1台で行うことができる工作機械で、生産現場で広く普及しています。ところが、MCを使って部品をつくる際、動きにブレが生じるため、加工物の仕上がりに誤差が発生するという問題点があります。

  • あらかじめ機械の動きを予測し、修正を加えれば、誤差を少なくすることができますが、動きの誤差は開示されていません。そこで、私たちは、その誤差を推定するモデルを構築し、シミュレーションした結果と実測結果を比較し、妥当であるかを示しました。

    この研究は、加工精度と加工効率を両立させることにより、マシニングセンタの持っている特性を最大限に発揮させ工作機械を使用する自動車産業や鉄鋼産業にとって大きな進歩に繋がります。特に、苦労した点は、論理的に結論を導き出す解析を行う中で、実験だけではなく膨大な数式を用いて答えを解いたことです。また、苦労して作成した数式の解説やプレゼンテーションのやり方を工夫したりしたのも苦労した点です。

    苦労した分、技術的な文章を書く力やプレゼンスキルが向上したと感じています。社会人になったら、九産大で身につけた知識や技術を生かして、新しいものを生み出し、社会に貢献していきたいと思います。

理工学部と芸術学部の学生がコラボでものづくりできるからものづくりの楽しさアップ!
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