STUDENT MESSAGE

地震時の建物挙動を解析で解明。見えない部材内部の状態をシミュレーションで探る。

建築都市工学部 建築学科
  • 将来、設計の仕事がしたいと思い建築学科を選びました。入学後は、「計画・歴史」「環境・設備」「構造・生産」の3分野を幅広く学んだことにより、設計以外の仕事への視野が広がりました。また、3年生の時にインターンシップを体験し、現場でものづくりに携わることのできる施工管理の仕事に魅力を感じるようになりました。

    在学中に、様々な学びや経験を通して、職業について具体的なイメージができたのは、よかったと思っています。卒業研究のテーマは「柱RC梁S造」という工法による構造物が地震時の挙動、つまり、どのように変形し破壊していくかを解析で明らかにするものです。

    柱RC梁S造は、建設業界の中では新しい工法で、商業施設や物流倉庫などで多く使われています。ただ、構造設計上不明な点も多く、改良の余地がたくさんあります。この構造物の地震時の挙動を調べるために、数多くの部材実験も行われています。ただし、実験では部材内部で何が起きているかは分かりません。しかし、解析では解析結果をCG(コンピュータグラフィックス)により表示することで、部材内部の状態を知ることができます。このように地震時の構造物の挙動を正しく理解していくことは、構造設計の精度向上や構造物の建設コストの削減などにつながっていく可能性があります。

  • 解析では、構造物をコンクリート、鉄筋、鉄骨などの特性を持つ「要素」を使って、コンピュータ上に「解析モデル」を構築する必要があります。解析モデルに地震力を与えて計算していくのです。最初は単純なモデルからはじめて、最後には精密な解析モデルを構築し、実験結果を説明できる満足な結果を得ることができました。このように解析ツールを理解し使いこなすまでには、論文を読んだり、研究室のゼミで先生や仲間と議論したり、かなり大変です。それだけに解決できたときの達成感は大きいですね。

    実は、この研究はかなり専門性が高く、家族や友人に説明しても全く理解してもらえません(笑)。もちろん、私自身も入学時には、まったく分かりませんでした。でも、今こうして研究をまとめられるまでになり、九産大の4年間で成長できたと感じています。卒業後は、ハウスメーカーの施工部門に就職します。その会社は、日本初となる地上70階建ての木造高層ビルの建築を目指しており、新しいことにチャレンジするマインドに魅力を感じています。そのプロジェクトが始動するときには、選抜メンバーに選ばれるよう、一級建築士の資格を取得するなど自分を磨いていきたいと思います。

将来の夢が決まってなくても入学後に学べばたくさんの選択肢が見つかるよ!
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