STUDENT MESSAGE

21世紀に発見された新しい合金の超伝導特性を調べより優れた材料開発を目指す。

理工学部 電気工学科
  • 大学2年生の時から、大学院に進学するかどうか考えていました。3年生になり、西嵜 照和先生の研究室では、ハイエントロピー合金の研究ができると知り、この研究室で大学院まで進もうと決意しました。ハイエントロピー合金は、21世紀になって発見された新しい概念の合金です。5種以上の元素が同じくらい含まれており、元素の組み合わせによって性質が変わります。強度と耐食性に優れる一方、加工性などは難しいと言われていますが、今後の研究で優れた特性を持つ合金が見つかることが期待されています。

    卒業研究では、このハイエントロピー合金の超伝導の特性を明らかにすることを目指しました。超伝導とは、リニアモーターカーや医療用のMRIなどに使われている技術で、様々な分野での応用が期待されています。実験では、ハイエントロピー合金の試料とそれに熱処理を行ったものの磁化を測定。臨界温度や上部臨界磁場、臨界電流密度などを調べました。まだ、世界的にもハイエントロピー合金の超伝導の研究は進んでおらず、参考資料もほとんどありません。実験で結果を出し、その結果から複数の可能性を探り、新たな発見をする、という過程は大変でしたが、やりがいがありました。

  • また、この合金は非常に固いので、実験のために適切なサイズに切断するだけでも数日以上かかる事がありました。苦労しましたが、実験を重ねた結果、熱処理したものとしていないものとで、違う結果を得ることができました。なぜ、そんな結果になったかは、さらに検証する必要がありますが、未知の領域を解明する面白さを感じています。

    今後、熱処理温度を変えたり、他のハイエントロピー合金を測定することで、より優れた超伝導体の開発を目指したいです。大学院でもこの研究を続け、将来はハイエントロピー合金の超伝導を使って新しいことに挑戦している企業で、社会に役立つ研究ができたらいいですね。

    在学中は、研究はもちろん、電験三種(第三種電気主任技術者試験)など資格にも挑戦して、自分を磨いていきたいと思います。九産大は、教育環境も実験施設も充実しており、学生のやりたいことを応援してくれます。皆さんも、ここで自分の好きなことにチャレンジしてください!

他の大学の先生がわざわざ使いに来るほど研究設備はハイレベル!
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