STUDENT MESSAGE

コンクリート構造物の老朽化の課題を解決する非破壊試験で新素材の水門を調査。

建築都市工学部 都市デザイン工学科
  • 私が中学生の頃、近くで大きな橋の建設が始まり、コンクリート構造物工事のダイナミズムや橋ができてからの町の活性化を目の当たりにしました。その経験から、コンクリート構造物は、私たちの暮らしを豊かにする大切なものだと思い、土木分野を学べる都市デザイン工学科に入学しました。

    授業で、高度成長期につくられたコンクリート構造物の老朽化が社会的課題となり、点検が追いつかず、事故が起きていることを知り、コンクリートの劣化の過程や原因、それに対する補修・補強についての知識を深め、社会で役立てたいと考え、研究に取り組みました。

    卒業研究では、島根県松江市に設置された水門に非破壊試験を実施し、異常が無いかどうかを調査しました。この水門は、約10年前に九産大の松尾 栄治先生が、初めて発泡スチロール廃材を活用してつくられたものです。一般的に水門は鋼製が主流ですが、さびやすいことが課題です。これに対してこの水門は、さびにくいだけでなく、廃材を使うので資源の有効活用にもつながります。この水門の状態を確認するため、設置以降2年ごとに九産大生が経過観察をしており、10年目という節目の年に、私が調査をしたのです。

  • 調査では、インパルスハンマーと呼ばれる測定器具でコンクリートの表面を叩いて周波数を調べたり、別の機材で空気の通りやすさを測定したり、と数種の試験を行います。授業で扱わない測定器具もあり、一人で効率よく使えるよう、先生方にご指導をいただきながら、大学内のコンクリートを水門に見立て繰り返し練習し、当日はスムーズに検査を行うことができました。ただ、この調査は私で終わりではありません。これからも、九産大生によって調査を続け、性能や耐久性が証明できれば、日本中の水門がこの素材に変わるかもしれません。今回の調査結果は、図や写真を用いて分かりやすくまとめました。私の調査結果も踏まえて、後輩の皆さんがこの研究を引き継いでほしいと思います。

    卒業後は、九産大での知識を活用して、危険なコンクリート建造物の補修・補強工事に携わりたいと思います。将来的にはコンクリート診断士の資格にも挑戦し、立派な土木技術者として人々の暮らしをより良くしたいです。

「コンクリート強度コンテスト」など、手と体を使う楽しい授業もたくさんあります!
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