九州産業大学シニア・アート・アカデミア

平成19年度後半

第9回目 制作7(2007.10.13)

平成19年度シニア・アート・アカデミアも今回で9回目。
各コースそれぞれ12月の展覧会に向けて制作が進んでいるようです。

版画コースは、講師と一緒に今まで行った技法を復習しながら、展覧会用作品の制作計画を立てていました。これまで作った作品や画集などを広げ受講生の表情はみんな真剣。
「こんな作品が作りたい!」という受講生の声に講師が丁寧にアドバイスする姿も見ることが出来ました。各自自分の好きな技法(銅版やコラグラフなど)で作品を作る版画コース、どんな作品が展覧会に並ぶのかとても楽しみです。

油彩画コースは、より完成度の高い作品を作るための勉強として「白色」の絵の具に注目。「白色」と一言でいっても油彩画には何種類もの「白色」あるとか。それぞれに特徴があり、他の色と混ぜたときなどにその違いが出るそうです。今回受講生は5種類ほどの「白色」を実際に他の色と混ぜながら、講師説明に耳を傾けていました。
最後に使い分けの方法を講師に聞いたところ、使い分けは好みによって違ってきます、という答え。何年も油絵を描いているうちに、自分独自の使い分けが出てくるのだとか。
受講生の皆さんにも、ぜひお気に入りの「白色」を見つけてより自分らしい作品を制作してほしいと思います。

最後の日本画コースは、前回よりも絵に色がついてきました。
最終的な色をのせる前に、何度も色を重ねていく日本画。
今日も受講生の皆さんは画面に向かい、黙々筆を動かしていました。失敗すると次ぎの手順に影響が出るという事で、最初は色をのせることに不安がっていた受講生も、今では細い筆、幅が広い筆などを使い分けて作品制作を行っています。
講座としても初めての開講となる日本画コースなので、運営スタッフとしても作品の完成が楽しみです。

第10回目 制作8(2007.10.27)

平成19年度シニア・アート・アカデミアもこの回で10回目。展覧会まで残り1ヶ月!
各コース皆さんは、12月の修了作品展に向けて黙々と作品制作に取り組んでいます。
そんな中、日本画コースでは初の中間講評会が行われました。
日本画は他のコースより少し工程が多く難しかったため、なかなかゆっくり他の受講生の作品を見るという機会を作ることが出来ませんでした。しかし、ここにきてそれぞれの作品の完成図も見通しがついてきたということで、コース内での初お披露目ということになりました。
講評会は1人1人作品を発表するたびに、「きれいね」「すごいね」などの声があがり、始終賑やかな様子。発表会終了後の制作時間では、講師からのアドバイスと他の受講生の作品を見た事で刺激を受けたのか、受講生の皆さんはさらに真剣な様子で作品に向かっていました。

また、今回は各コース展覧会の準備として、作品タイトルと展示する際の額縁の決定を行いました。額縁は作品を展示する上でとても大切なもので、作品の雰囲気にあった額を選ばなければなりません。
「どの額縁が自分の作品にふさわしいのか?」
受講生の皆さんは、講師と一緒に額縁の見本写真と自分の作品を見比べならが、慎重に額を選んでいました。

第11回目 制作9(2007.11.10)

平成19年度シニア・アート・アカデミアも11回目を迎えました。
回数を重ねるごとに、受講生の皆さんのキャンバスに向かう姿や絵の具を溶く姿も、なんだか板についてきたようです。

本日の講座は11月の最後の回という事で、制作制作もラストスパート。
スタッフが制作室を訪ねると、自分の作った作品を見せながら「まだまだこの辺りを描き込まないといけない」なんて言いながら、筆を動かす受講生の姿もチラホラ。
どうしたら自分が作りたい作品になるのか、講師に積極的に質問し作品制作に取りかかる受講生の姿も各コースで見られました。

また、開講日以外の日でも制作をしたいので、教室を開放して欲しいという声も受講生からあがり、展覧会に向けていよいよ追い込みの時期になってきました。

第12回目 制作10(2007.11.17)

そろそろゴールが見えてきた平成19年度シニア。

制作時間は今日と次回の2回を残すのみとなりました。
残り時間も少なくなり、受講生の表情も今まで以上に真剣な表情です。
2本の筆を使い分けて細部の書き込みをしている受講生もいました。

イーゼルに立てかけてある作品は、どれも素晴らしくスタッフから見ると完成した作品のように見えましたが、受講生にとってはまだまだ未完のよう。
受講生が言うには、
「完成したと思っても、すぐにもっと手を入れたら良くなるんじゃないかと思うし、逆に手を入れることで完成度が落ちてしまうかもしれない、そこが難しいところです。」
との事。
また、制作工程の難しさから心配されていた日本画コースも最終の色付けに進んでいました。
次回は、いよいよ作品にサインを入れる作業を行います。

第13回目 制作11(2007.12.01)

平成19年度のシニアも残すところあと3回。
そして、本日は最後の制作時間となりました。

ほとんどの受講生がすでに作品を完成させていましたが、時間ぎりぎりまで講師と話をしながら、手直しをしていました。

制作時間の最後を締めくくるのは、サイン入れです。
約半年かけて描いてきた作品に、最後自分のサインを入れます。
このサイン入れに受講生は緊張している様子。
ひな仮名表記にしようか、英語表記にしようか、フルネームにしようか、名前だけにしようか…受講生同士で相談しながら何度も他の紙に練習を重ねて、いざ作品へ。
ここでも、気に入らないところが少しでもあれば書き直し。
最後の最後まで妥協は許しません。
数回の書き直しをえてようやく作品が完成!
イーゼルや机の上に立てかけて、完成した作品を見つめる受講生の表情は、達成感でいっぱいでした。

第14回目 全体見学会(2007.12.08)

展覧会前最後の今日は、コースごとの講評会・額装そして全体での講評会が行われました。

講師と話し合い準備していた額にいよいよ作品をいれます。
慎重に慎重に作業を進める受講生。額に入った作品を「立派で見違えるようだね」と本当に嬉しそうな表情で、スタッフに見せてくれました。
一方講師たちは「作品に合っていて良かった」とこちらはホッとした様子。
額によって作品の見え方も変わってくるため、実施に額装するまで講師はとても不安だったそうです。

本日は展覧会前最後のシニアという事で、完成した作品全部を展示して見学会を行いました。全員の作品が教室に並ぶとあちらこちらから歓声が上がり、拍手が起こりました。
制作者に熱心に質問する受講生や、自分が作った作品について熱心に話す受講生の姿はどこか誇らしげで、最後全員で撮影した記念写真には胸をはって堂々とした受講生が写っていました。

全体での見学会に先立って、各コースごとの最後の講評会がおこなれました。
そこでは、受講生がそれぞれの作品に込めた思いを聞く事が出来ました。
難しくて挫折しそうになった話や途中で内容を変更した話など反省点も出てきましたが、それ以上に工夫したところや上手く出来たところ、見所などを熱く話してくれました。

展覧会の様子(2007.12.10〜16)

平成19年度九州産業大学シニア・アート・アカデミアの修了作品展が10日〜16日まで、福岡天神 新天町 ギャラリー「風」で実施されました。
作品展では6月から油彩画・日本画・版画の3コースに分かれて制作した受講生23名の作品を発表しました。

この展覧会は作品の搬入展示から会場の作品解説ボランティア、作品搬出にも受講生全員で実施しました。

搬入の際、作品を展示する、キャプションを付けるという作業を普段見る事がない受講生は、「美術館の展示は本当に大変!」と展示作業初体験の感想を話していました。

展示期間中は、年末の忙しい時期にもかかわらず大勢の方にご来場いただき、受講生も講師も嬉しい一週間となりました。美術館スタッフが会場を訪れると、たくさんの名前が記入された芳名帳を持って「今日もたくさん来られましたよ」と笑顔で報告してくれる受講生の顔が印象的でした。

平成19年度のシニアは来年1月の美術館見学を残すのみとなりましたが、ぜひ家でも制作を続けて下さい、という講師の言葉で展覧会は無事終了しました。

第15回目 美術館見学in熊本県立美術館(2008.01.26)

昨年5月から始まった平成19年度のシニア・アート・アカデミアも今日で最後となりました。最後を締めくくるのは熊本県立美術館へのバスハイクです。

見学した展覧会は、前回の日展見学からガラリと変わって古代ナスカ時代の文明にスポットをあてた「世界遺産ナスカ展ー地上絵の創造者たちー」でした。
照明が落とされた展示室に入ると、そこには古代ナスカ時代の世界が広がっていました。
遺跡から発掘されたた壷やアクセサリー・織物など多くの発掘品が並べられ、それらに描かれた色とりどりの絵を見ながら「とても何百年前のものとは思えない!今でも使えそう」などの感想が聞こえてきました。
展覧会の題名から一体どんな作品が展示されているのか、行きのバスの中からとても楽しみにされていた受講生の皆さんは、真剣な表情で作品を見つめていました。

九州産業大学シニア・アート・アカデミア