児童・生徒のための芸術教室(小さな芸術家になろう!)

第16回WS 写真「フォトグラム」にチャレンジ!!
◆暗室から生まれる光のアート◆

実施日:2006.07.23 参加者:53名 (応募76名)

1、ワークショップのはじまり

今年も「小さな芸術家になろう」の季節がやってきました。
シリーズ第1回目の今回は、光の版画「フォトグラム」です。
夏休み最初の日曜日、空は雨雲に覆われどんよりとした天気でしたが、子ども達は朝早くから元気いっぱいで受付場所に到着。

受付を済ませた後は、初めて会うお友達ともっと仲良くなるためにアイスブレーキングで全身の緊張をほぐしました。
美術館スタッフのリードで「後出しじゃんけん」などを行っていくうちに、会場は一気にヒートアップ。緊張がほぐれみんなの顔に笑顔が出てきたところで、いよいよ暗室に移動しフォトグラムにチャレンジです。

2、写真家になる前に・・・(作業風景1)

まだ明るい暗室に到着したら、まずは作業の注意をボランティアのお兄さんとお姉さんが行います。

実際の作業では、部屋は真っ暗になってしまうため、引き延ばし機の操作の仕方や現像液を使用しての作品作り方など、子ども達はおしゃべりをやめて真剣な表情で聞いていました。

説明するボランティアの学生も、いつものワークショップと違い暗闇での作業という事と薬品を使用するという事で、より丁寧に説明をおこなっていました。

3、明るいうちに最終準備(作業風景2)

道具の使い方、薬品の注意などの説明が終わる今度は作品作りの準備です。
暗い部屋の中では準備が難しいので、こちらも明るいうちに済ませます。
エプロンの着て持ってきてた道具を自分の近くに置いたら完了。
みんなの準備が全て終了したら・・・いよいよ暗室の電気が消灯!
さぁ暗室での光のアートの始まりです。

(注)暗室では少しの光でも作業の妨げとなりますので、撮影が出来ません。
そのため、暗室の中の作業風景写真がありません・・・ごめんなさい!

◆ 暗室の中では、以下のような作業を行い作品を制作しました!

  1. 印画紙を現像液に浸す(像が浮かぶー90秒)
  2. 停止液に浸す(現像液の働きを止めるー30秒)
  3. 定着液に浸す(像を定着させるー60秒)
  4. 流水に浸す(薬品を洗い流す)

4、光のアート(作業風景3)

暗室で作業する事、数分…

子ども達のにぎやかな歓声と共に、出来上がった作品がついに暗室の外に登場。
現像液に入れた瞬間に浮かび上がってきた像を、早く明るい所で観ようと子ども達は我先にと自分の作品を手に取っていました。
暗い暗室では確認出来なかった細かい模様や、思いもよらない像が浮かびあがっていたりと、どうやら初めてのフォトグラムは大成功のようです。

(注)作品の中の黒い部分が光の当たったところで、白い部分が物を置いて光が当たらなかった所です。

5、作品を乾燥(作業風景4)

暗室から出てきた作品はまだ水に濡れています。そこで、写真専用の機械を使用して乾燥を行います。水気が完全に取れたら、ついに作品の完成です。
水に濡れてもけっして混ざる事のない黒と白で描かれた不思議な作品を、子ども達はじーと自分の作品を見つめていました。

6、ランチタイム♪

一つ目の作品が完成したところで、お待ちかねのランチタイム。
残念ながら外が雨のため、明るい太陽の下でのお昼とはいきませんでしたが、教室には色とりどりのお弁当箱が並び、おいしそうな香りが広がっていました。

雨でも子ども達は元気いっぱい!
食事が終了した班からは、やがて学生の悲鳴と子ども達の歓声が聞こえ、勉強するはずの教室は一気に子ども達の遊び場へ。
机も椅子も黒板もあっという間に子ども達の遊び道具になってしまいました!

7、再び暗室作業へ(作業風景5)

お昼の後は、再び暗室で作品作りです。
今度は、午前中に制作した印画紙よりももっと大きな印画紙(サイズは半切)を使用して作品を制作しました。

子ども達たちはみんな、大きな印画紙を前にもって来た小物を抱え、どこにどんな風に配置しようかとじっくり考えながら作品を制作していました。
作っていくうちにアイディアがどんどん浮かんでくるのか、スタッフのもとには印画紙を求める子ども達の行列が出来ていました。

8、展覧会開催!

暗室での作業が全て終了したら作った作品を教室に展示して展覧会を行いました。
作った作品の中で各自一番気に入った作品を展示します。
1日かけて作品を作った子ども達は、両手いっぱいの作品を机の上にズラリと並べ、笑顔で展示する作品を選んでいました。

子ども達だけでなく、迎えに来ていた保護者の方々や、指導に入っていたボランティアの学生たちもみんな子ども達の作品を一つ一つじっくりと見学していました。
そして、帰り際には迎えに来ていたお父さんやお母さんに、自慢げに作品を見せている子ども達の姿もたくさん見られました!

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