児童・生徒のための芸術教室(小さな芸術家になろう!)

第11回WS 銅板画“エッチング”をやってみよう!!

実施日:2004.12.23 参加者:49名 (応募103名)

1、ワークショップのはじまり

12月の寒い中で開催された今回のワークショップ。
しかし、そんな寒さにも負けず今日もたくさんの子ども達が朝早くから美術館に集まり、受付をすませてワークショップの開始を待っています。 受付を終了すると早速作業です。銅版画にしたい絵の下絵を描いていきます。
4つのマスを用意していた下書きの紙ですが、あっという間に埋まってしまい、子ども達の想像の豊かさを改めて実感しました。

2、銅版を彫る!(作業風景1)

紙に下書きが終わると今度は、カーボン紙を使用して銅版に下絵をうつします。

銅版には予めグランドと呼ばれる薬が塗ってあります。

下絵が写し終わると、ニードルと呼ばれる針のような物でグランドをはがすように、少しずつ下絵の線をなぞっていきます。
普段使い慣れない道具ですがみんな真剣な表情で絵を彫っていました!

3、銅版を腐らせる!(作業風景2)

下絵をニードルでけずり終わると今度は銅版を腐食させます!
特殊な薬品に銅版を浸します。この時、この薬品により削られたところの銅が腐食し“みぞ”をより深くしていきます。

------------20〜30分後--------------

銅版を薬品から取り出し、水としょうゆで洗い流します。
しょうゆには、なんと腐食の進行を止める働きがあるのです!
プリントクリーナーで残っているグランドをおとし、銅版の表面がきれいになったらいよいよインクをのせていきます!

4、ちょっと休憩

ここで少し休憩!
朝早くから作業をしていたのでお腹もへってきました。
各自持ってきたお弁当を広げてしばし遠足気分でお昼です。
カラフルなお弁当が見られるのもワークショップの楽しみです!

お腹がいっぱいになりエネルギー補給が終了すると、今度は運動。
ボランティアの学生達はここでも大活躍!
一緒になって食後の運動に夢中になっていました!

5、カラフルインク登場(作業風景3)

版画を思い浮かべると、きっと黒一色が思い浮かぶと思いますが、今回はこんなカラフルなインクを使って版画を行います。

最初は単色で使っていた子どもも、やがて自分の世界に合う色を求め、新しい色を作りだし、銅版に色をのせていました!

石の上には、新たに作り出された色でもういっぱい!
ボランティアのお兄さんやお姉さんに教えてもらいながら、どんどん銅版に色をのせていき、あっという間にピカピカ光っていた銅版がカラフルな版に変身です!

6、いよいよ刷り作業(作業風景4)

銅版にインクをのせたらいよいよ紙に刷る作業に行きます。
今回は、写真のように大きなプレス機を使用して版を刷ります。

銅版を置き、その上に紙を置いてマットを被せたらその上を大きなローラーをゆっくりと……転がしていきます。
マットの上を一通り転がしたら終了。
マットの下では銅版画が完成しています!

7、完成!!

マットをあげたら四方八方から腕が伸びて紙を取っていきます。
みんな真剣に刷りをチェック。

「色が薄いけど、なんで?」「ここだけ絵がないのはなんで?」

など、ボランティアのお兄さんやお姉さんを質問攻めにして、作品の高い完成度を求める姿はまさしく芸術家!
アドバイスをもらうと、さっそく作業を開始して何度も刷りにチャレンジしていました!

8、銅版画ギャラリー誕生!

子ども達は何度も刷りにチャレンジ。
その結果、最後の展覧会には素晴らしい作品が並びました!

描いてる絵も使っている色もみんないろいろで、個性あふれる作品が勢揃い。
小さな芸術家達は他のお友達の作品も細かくチェック。

最後は恒例の記念写真。
自分の作品を持って同じ班のみんなと記念写真を撮ります。
作品の出来も大満足のようで写真の表情はみんな笑顔でした!

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