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流域治水

流域治水

リュウイキチスイ

地球温暖化による豪雨の多発により、近年、計画規模を超える洪水が多発し、破堤を伴う水害が頻発している。明治期以降の治水計画は堤防の強化と貯水ダムの建設により洪水流を河道内にとどめる方策が中心である。一方、洪水の規模が大きくなり、それに伴う計画規模の上昇は、わが国の国家財政における減収と相まって、治水事業の進捗の遅延をもたらし、安全度の担保がおぼつかない。そこでこれまでの河道中心の治水から、不連続堤防である霞提の導入や遊水地の確保による洪水量の分担や、流域での雨水の一時貯留と浸透の機能の強化によって、流域全体で流出抑制・遅延を図り、流域の関係者が一丸となって被害を軽減する治水をいう。2021年5月に流域治水関連法が公布され、流域治水推進の法制度が強化された。