ABOUT of Biorobotics

バイオロボティクスって何?

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「バイオロボティクス」とは、バイオサイエンスとロボティクスを組み合わせた造語です。機械・電気分野を基礎に、ロボット工学、生体工学、医療・福祉までも融合した新しい領域です。このバイオロボティクスを学ぶためのバイオロボティクス学科は、2004年4月、日本で初めて九州産業大学に創設されました。

・アドミッションポリシー
・社会に対する責任感と倫理観に対し、地球的視点から思考する意欲のある人
・バイオロボティクス学科で学ぶ学問をベースとし、創造性あふれる開発能力を身につけたい人
・課題に対して企画し解決する能力を有し、グローバルな活動がしたい人

・バイオロボティクスがどんなものなのか、具体的な例を挙げながらご説明しましょう。

ヒト型ロボットを作るには...

  • テレビやイベント会場でヒト型ロボットを見かけたことはありますか? この10年くらいの間に、ロボットはずいぶんと人間らしくなりました。でもまだまだ、人間の体の巧妙な構造や優れた運動能力には遠く及びません。
  • いま、経済産業省は家庭用ロボットや福祉用ロボットの量産を奨励しています。2020年までにはロボットが自動車のように普及するだろうと期待されています。各家庭にロボットがいて力仕事や留守番をしてくれる社会はもうすぐそこにあるのです。
  • 人間とロボットが同じ家に住むためには、機械部品が飛び出たゴツゴツとしたロボットでは困ります。人間のように柔軟に動くロボットやぶつかっても人間を傷つけないロボットが必要です。こんなロボットを作るにはどうすればよいのでしょうか?
  • 一番の近道は、私たち自身の体の仕組みを勉強してそれをロボット開発に応用するという方法です。例えば、人間の皮膚の構造を真似てロボットに外装を施したり、人間の腕や脚の関節を参考にしながらロボットのマニピュレータを開発したり。
  • 新しいロボットを開発するために人間の体(バイオ)のことを考えてみる。これがバイオロボティクスです。

ロボティクスを医療や福祉に活かす...

  • 脳卒中で倒れた患者さんがリハビリに取り組む姿を見たことがあります。作業療法士の先生が患者さんに付き切りとなり、手や足を動かす訓練を施していました。「重たい自分を支えるようにリハビリしてくれて、先生に申し訳ない」という患者さんの声を聞きました。
  • 老人ホームで寝たきりとなったお年寄りの介護を手伝ったことがあります。自分の力ではベッドから起き上がれないお年寄りが「トイレが頻繁になると介護士さんに迷惑がかかるから、あまり水を飲まないようにしている」と話していました。
  • 医療や福祉の現場では、患者さんと医師・看護師、療法士、介護士たちが肌と肌で触れ合うことが欠かせません。でも、リハビリや介護の一部をロボットで行うことができれば、あるいはロボットの助けを借りながら行うことができれば、このような患者さんやお年寄りが気兼ねや遠慮を感じることはなくなるでしょう。
  • ロボット技術を医療や福祉の世界で応用し、患者、高齢者、身障者をサポートする。これもバイオロボティクスです

ヒトに優しいもの作り...

  • 最近、腰をかがめなくても洗濯物の出し入れができる新しいデザインの洗濯機や、よく開け閉めする冷凍室を使いやすい位置に置いた冷蔵庫などをよく見かけます。また自動車シートの形やハンドルの位置にはドライバーが長時間運転していても疲れないような工夫が施されるようになりました。
  • どの工業製品の性能も大変よくなり、もはや高性能を売りにして製品開発競争を行うことは難しくなりました。そこでメーカーが注目したのがヒトに優しいもの作りです。私たちが製品に合わせるのではなく、製品が私たちそれぞれの体格や使い方の癖に合わせてくれるならば、どんなにすばらしいでしょう。それが製品の付加価値にもなります。
  • では、「ヒトに優しい」ってどうやって測るのでしょうか。使いやすいとか使いにくいとか、計測不可能な感覚に過ぎないのでしょうか。
  • 洗濯物の出し入れがしやすい洗濯機の例では、腕や腰を動かす筋肉がどのくらい活動しているのか、筋電図と呼ばれるものを計測して比較することができます。自動車シートと疲れの関係の例では、唾液の中に分泌される疲労物質の量や疲れによる脳波や心拍の変化を計測することができます。
  • ヒトの体の反応を調べるために工学的な知識と技術を活用する。これもバイオロボティクスです。

バイオロボティクス学科の誕生...

  • このような社会の動向を背景に、バイオロボティクス学科は誕生しました。
  • バイオロボティクス学科では、機械工学と電気工学をベースとしたロボット工学を中心に、ヒトの仕組み(バイオサイエンス)やヒトに優しいもの作り(バイオデザイン)、さらに医療・福祉工学までをも学べます。
  • 私たちが目指すのは、柔らかいものも硬いものも、ヒトもメカも両方分かる新しいタイプのエンジニアです。

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