本学科では、住居・インテリアを多面的かつ総合的にデザインする学問分野の科目を開講しており、住居やオフィス・ショップの計画・施工・構造・環境・設備の基礎知識とともに、リフォームやリノベーション、そして生活空間の歴史や文化、まちづくりなどを学びます。
住居・インテリア領域に関する社会的課題は多数あります。例えば、近年、集中豪雨や熊本地震など自然災害が住宅へ被害を及ぼしています。これらへの安全対策や避難時の対策が問題になっています。また、持続可能な社会を目標に掲げるSDGsの観点からも、少子高齢化にともなう空き家対策が問題になっています。こうした空き家問題の解決は、即ち、使える建物も壊してきたスクラップビルドから、改修して長く使い続けるストックへの転換です。それにより、産業廃棄物の削減や材料の有効活用に加え、新たな需要の掘り起こしにつながります。
本学科では実際に、教員の指導のもと、在学中の学生自らが、リノベーションを手がけるプロジェクト型教育にも力を入れています。
住居・インテリア学科は、次の人材から、基礎的な知識や適性を多面的・総合的に評価し、入学者選抜を行う。
高等学校の教育内容を幅広く学習しており、住居、ショップ、オフィスまたそのインテリアの設計・デザイン、リフォーム・リノベーション、住宅の施工・構造・設備、そして広く生活空間の歴史や文化・まちづくりを学ぶために十分な基礎学力を有している人
住居・インテリア学科で得た住居・インテリア学分野の知識・技能等を用いて、様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力を有し、積極的に社会貢献するなど活用できる人
住居・インテリア学科への進学意欲、学修意欲を持ち、本学で身に付けた物事を多面的に考察し、自分の考えをまとめることのできる知識・能力を将来のキャリアにつなげるビジョンを持ち、主体的に行動できる人
住居やインテリアの分野は、建築・都市環境の中で最も人間に密接した空間を扱います。人々がすごす空間は、人や物を含めて様々な要素が複雑に関わり合っています。これらを理解するためにも、幅広いものごとを総合的に考える力が求められます。
住居・インテリア学科の専門領域は建築学を礎としており、空間を成り立たせるための構造や快適性につながる温熱環境を理解するためにも、理数系の基礎を習得していることが必要です。具体的には、数学科については数学Ⅰ・Ⅱと数学Aは必須、数学Bと数学Ⅲについてはそのどちらかを履修していることを求めます。加えて、住居・インテリアに深く関係する社会の仕組みを理解する上でも、地理歴史科や公民科の科目も履修することを望みます。
それだけなく、よりよい空間をつくるためには、身近な暮らしに目を向けるきめ細やかな観察力や使う人の立場にたった傾聴力が求められます。また、施工者、設計者、依頼者といった多くの人とのコミュニケーション力も不可欠です。さらに、物事を改善しようとする積極的な行動も必要となってきます。