令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」博物館を活用した「健康寿命」増進プログラム開発のための学芸員研修会のお知らせ

令和3年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」

博物館を活用した「健康寿命」増進プログラム開発のための学芸員研修会

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■開催趣旨

2015年11月、ユネスコ総会で採択された「博物館とコレクションの保存活用、その多様性と社会における役割に関する勧告」の中で、「ミュージアムは社会全体に語りかけるゆえに社会的な繋がりと団結を築き、市民意識の形成また集団的アイデンティティを考える上で、重要な役割を持つ重要な公共空間である。ミュージアムは、恵まれない立場のグループを含め、すべてに開かれた、あらゆる人々の身体的・文化的アクセスを保証する場であるべきである」と提言している。

超高齢社会へひた走る日本は、団塊世代が75歳以上になる「2025年問題」に続き、団塊ジュニア世代が全て高齢者になる「2042年問題」が浮上し、社会保障費の増大、勤労世代の減少が大きな課題である。

そこで、本事業では、今後社会的処方の場となることが期待される、博物館を活用した「健康寿命」増進プログラム開発の企画立案・実施運営の方法を学ぶ研修会を開催する。

カナダでは、「処方箋に博物館と書く」という新たな医療保健制度を始まっている。「知的刺激/学び/楽しみの場」である博物館が、「リラックス効果の場=博物館浴の場」という新たな価値創造が可能になる「健康増進プログラム」を開発することで、地域の高齢者医療にどのように貢献できるかを、参加する学芸員が考える機会を提供したい。

*博物館浴:博物館見学を通して、博物館の持つ癒し効果を人々の健康増進・疾病予防に活用する活動

■受講料:無料

■参加対象:博物館関係者、医療従事者、大学教員等(開催県外からの申し込みはできません)

■申込方法:受講希望の方は、①件名:学芸員研修会(テーマ名)②内容:氏名、所属、職名、この研修会に期待することを書いて、E-mail:museum03@ip.kyusan-u.ac.jpへ、お申込みください。

なお、応募多数の場合は抽選とします。受講決定可否はメールにて通知します。

 

■内容

研修番号1

「博物館・民俗資料館de回想法」 定員:各回20

講師:市橋 芳則(YOSHINORI Ichihashi/北名古屋市歴史民俗資料館長

講師から一言:回想法は,地域に暮らす高齢者を元気にしていくプロジェクトとして活用されています。博物館と高齢者ケア・認知症予防・健康推進などを推進する福祉関係の部局とが連携を図った「思い出ふれあい(回想法)事業」を2002年から実践しています。私たちは、これを「博福連携」と名付け、活動の軸の一つとしています。

開催日程/開催会場/応募締切:

【8月25日(水)】10:00〜17:00(受付)9:30〜/恩納村博物館(沖縄県国頭郡恩納村字仲泊1656-8)

応募締切:7月28日(水)

【10月15日(金)】10:00〜17:00(受付)9:30〜/時津町民俗資料館(長崎県西彼杵郡時津町野田郷62)

応募締切:9月10日(金)

 

研修番号2

「博物館・美術館de園芸療法」 定員:各回20

講師:岩崎 寛(YUTAKA Iwasaki/千葉大学大学院園芸学研究科准教授

講師から一言:園芸療法とは、植物の栽培といった一般的な園芸活動だけでなく、植物を用いたクラフトや庭園の散歩など、身近な植物を五感で感じることで、ストレス緩和や、落ち込み・不安などの感情を改善するものです。本講座では、園芸療法の事例を紹介しながら、その効果や身近な実践方法についてお話します。

開催日程/開催会場/応募締切:

【9月2日(木)】10:00〜17:00(受付)9:30〜 /宮崎県総合博物館(宮崎市神宮2-4-4)

応募締切:8月5日(木)

【10月8日(金)】10:00〜17:00(受付)9:30〜 /佐賀県立博物館・美術館(佐賀市城内1-15-23)

応募締切:9月10日(金)

 

研修番号3

「恐竜博物館・美術館de音楽療法」 定員:各回15

講師:井上 幸一(KOICHI Inoue/福岡女子短期大学音楽科准教授

講師から一言:音楽療法は、介護予防や健康増進を含む心身機能の維持・改善、行動の変容などを目的として、高齢者をはじめ幅広い対象に実践されています。展示資料によるイメージを基に、楽器を用いて「音・音楽に包まれる空間」を作り、その響きを共有するミュージック・アクティビティの体験を行いたいと考えています。

開催日程/開催会場/応募締切:

【10月11日(月)】10:00〜17:00(受付)9:30〜 /御船町恐竜博物館(熊本県上益城郡御船町大字御船995-6)

応募締切:9月6日(月)

【11月21日(日)】10:00〜17:00(受付)9:30〜 /三宅美術館(鹿児島市谷山中央1-4319-4)

応募締切:10月22日(金)

 

研修番号4

「ユニバーサル・ミュージアム」 定員:20

講師:広瀬 浩二郎(KOUJIRO Hirose/国立民族学博物館准教授

講師から一言:前半は、9月~11月に開催される国立民族学博物館の特別展「ユニバーサル・ミュージアム: さわる!の大博覧会」の概要を紹介しつつ、「さわる展示」の意義と可能性について考えます。後半は、ワークショップ形式で実際に資料にさわりながら、「ユニバーサル=普遍的」な博物館のあり方を参加者とともに楽しく議論します。

開催日程/開催会場/応募締切:

97日(火)】10:0017:00(受付)9:30〜 /大分大学教育学部200号教室(大分市大字旦野原700番地)

応募締切:813日(金)

 

研修番号5

「美術館 de やさしい日本語」 定員:20

講師:村田 陽次(YOJI Murata)/東京都生活文化局都民生活部地域活動推進課 課長代理

講師から一言:近年注目を集めている「やさしい日本語」は、外国人にもわかるように配慮して簡単にした日本語のことですが、実は高齢者や子供、障害者等とのコミュニケーションにも有効な考え方です。私たちは「やさしい日本語」を使って、美術館などの文化施設を全ての人々に対して開かれた場にしていきたいと考えています。

講師:髙尾 戸美(HIROMI Takao/多摩六都科学館 研究・交流グループ リーダー

講師から一言:ミュージアムにとってやさしい日本語を導入する意味とはどのようなことでしょうか?また館内外においてそれらはどう受け止められ、どのように展開すれば良いのでしょうか?当館の事例から皆さんの現場での取り入れ方をイメージし、在住外国人の方にやさしいミュージアムの第一歩を歩み出したくなる場にできればと思います。

開催日程/開催会場/応募締切:

913日(月)】10:0017:00(受付)9:30〜 /福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1-6

応募締切:816日(月)

 

■問合せ先:九州産業大学美術館事務局   E-mail:museum03@ip.kyusan-u.ac.jp

■主催:「2042年問題」解決に向けた社会資源を活用した「健康寿命」増進プログラム開発とリンクワーカー人材育成事業実行委員会(九州産業大学美術館<代表>、九州大学総合研究博物館、福岡市博物館、福岡市美術館、海の中道海洋生態科学館、田川市石炭・歴史博物館、直方谷尾美術館)

■共催:恩納村博物館、宮崎県総合博物館、佐賀県立博物館・美術館、御船町恐竜博物館、三宅美術館、福岡市美術館

 

 

【留意事項】

・来場当日は感染防止対策(座席間隔の確保、換気、消毒、検温)を行います。

・来場の際は、必ずマスク着用、手指消毒、検温、健康観察カードの提出のご協力をお願いします。

・感染症拡大の状況により、研修会が中止となる可能性もあります。

 

【人権の保護及び法令等の遵守への対応】

本プログラムは、九州産業大学「ヒトを対象とした研究に関する倫理委員会」の承認を得た上、博物館浴の効果実証研究のため、参加者の血圧・脈拍データに加え唾液アミラーゼなどの採取を行います。具体的には、参加者に対してプログラムの内容について、口頭・文書で説明し、同意をいただいた後に実施します。なお、採取したデータについては、個人情報が特定されないよう匿名化した上で、専用の記録媒体に保存し、実施責任者以外が見ることができないようにします。

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