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フォーカシング
1960年代、アメリカの哲学者・心理学者Eugene Gendlinらが、心理療法で効果がある場合とない場合の違いについて研究を行ったところ、効果のあるなしを決定するのはセラピストの能力や経験ではなく、クライエント側が、自らの内面に触れる能力を持っているかどうかで決まる、ということが分かった。以降、 Gendlinは、内面に注意を向けるやり方をフォーカシングと名づけて世に広めていった。
私たちの内面には、「嬉しい」「悲しい」といったはっきりした感情だけではなく、もっと漠然とした気分がある。日頃はゆっくりと感じる間もないそのような漠然とした感じに、私たちが注意を向けて、受容的に感じること自体が、私たちに静かな充実感をもたらし、また、そのようなやり方で内側に触れることで自分の感じの意味が分かり、自分が深いところで何を求めているかがはっきりしていく。(focusingとは焦点を当てる、という意味。)このように、漠然としたからだの感じに焦点を当てるプロセスがフォーカシングである。
なお、そのような漠然としたからだの感じをfelt sense(フェルト・センス)と呼ぶ。フェルト・センスがどのようなものかを体感できれば、フォーカシングを理解したといってよい。詳しくはこちら
ヒューマニスティック心理学
1960年代のアメリカからから出現した心理学の潮流。ロジャース、ロロ・メイ、マズローらに代表される。精神分析、行動療法につづく第三勢力とも呼ばれる。ヒューマニスティック心理学のカウンセリングにおいて、セラピストは「心の『病気』を持った人を治療する」というスタンスを取るのではなく、クライエント個々人の自己実現、人生の意味の探求の補助をする役割として自らを位置づける。したがってこの立場は基本的に、従来的な病理診断(=レッテル貼り)を必要最小限に止めようとする傾向がある。自己実現を平たく言うと、ありのままの自分自身に開かれ、自分らしい指向性と能力を生かして生きている状態を意味する。
TFT
1980年代、アメリカの臨床心理士Roger Callahanが水恐怖症のクライエントを治療する際に、東洋医学で言う経絡のツボをトントンとタッピングすることで急激にクライエントの恐怖症が治癒したことから、その後発展させた心理療法。
トラウマ(心的外傷)、恐怖症、不安、怒り、悲しみ、罪悪感、強迫症状、鬱、身体の痛み、パニックその他に適用可能とされる。治療時間(=想起時間)は最短で5分以内、副作用がないことが特徴とされる。各症状に一般的にあてはまる治療手順(ツボをタップする順番:アルゴリズム)があり、販売されている書籍を見て誰でも試してみることができる(ただし鬱の場合は医師や心理士の相談のもとに行うことが望ましい)。
アルゴリズムのみでの治癒率が80%程度と言われる。もしアルゴリズムで効果がなければ、セラピストが行う診断(個別の治療手順を見出す手続き)に基づいて治療が行われる。
他の療法に比べ、ターゲット記憶にまつわる感情を想起する時間が短くて済むため、心的外傷の治療に導入しやすい。
フォーカシング
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