スピリチュアルカウンセリング体験記 (5) 
催眠療法体験記
「で、何かお聞きになりたいことがおありなんですよね)。緊張しますね(苦笑)」と、先生は、ピアスをつけながらおっしゃった。

O田氏の相談が終わり、再び、先生とO田氏、私の、3人の同席となっている。
やはり、先生の正面に座ると、体感的に、暖かい。
どちらかというと、先生の向かって右側が、暖かい。
そういうものだろうか。

いや違う。
左側90度の角度に、O氏がいるからだ(笑)。
私が北、先生が南だとすると、東の位置にO田氏がいる。
O田氏には悪いが、O田氏の身体が壁となり、先生からの熱をさえぎっているものと思われる。
そして多分、O田氏からすると、先生の側が暖かく、森川の側は、墓地のように涼しいに違いない。

「先生の前に座っていると暖かいんですけど…。」
そう尋ねると先生は、
「アタシを見てくださった方によると…、」と、照れるような表情になられて、「天使様がたくさんついておられるからだそうです。」とおっしゃった。

「どうやって、今のように…」とO田氏が切り出すと、先生は、そこに至る長い過程を話してくださった。
お小さい頃から、幽霊などが見えていたこと。
そうした能力について、周りの身近な大人には、受け容れる方と、全く受け容れずに強く否定する方とがおられたこと。
そのため、先生は、その力を閉じて、見ないようになさっていたこと。
心理士として、働いておられた日々。
「ドクターと一緒に、アメリカンインディアンの聖地で行われるワークショップに行ってみたとき、テントの中の儀式を終えたあと、急に」「栓が取れたようになって」…、

‘見えるようになった’ということ…。



ここで、相談に来た目的の「ある一部分」が見果てぬ夢のまま終わろうとしていることが、私たちには分かった。
先生は、小さいときからもともと、その能力がおありになったということなのだから。
………。
しかし果敢にもO田氏は、一応それを確認した。
「何か努力することによって、先生のように、分かるようになる、ということはあるのでしょうか?」

先生の答えはこうだった。
「いやみんなそれぞれ、持っているんです。与えられたものがあるんです。アタシはたまたまこれだったというだけで、それぞれの方に、かけがえのない力があるのですから、自分の力に気づいて、大事にしていただきたいということなんです。」
「走るのが早い人がいるように、それぞれ違うんだ、ということですか?」
「まさにその通りです。」

ハア〜。
やっぱりか。

現時点で「なんも見えない」O田氏と私が、‘話が聴けて守護霊も見れる、鬼に金棒カウンセラー’になれるなんてことは、一生かかっても無いものと思われる。

先生曰く、「これはこれで大変なんですよ。『あの人(霊)、家に入れて欲しいけど入れてもらえないんだな』とか、『あの、屋根の上に登ってアンテナをいじってる人たちは何なんだろう』とかね(笑)。まあ、霊も人間も一緒でいろんなのがいるんだな、と思えるようになると、楽にやりすごせるようになりましたけど。」



先生は、それから、さまざまなテーマについて答えてくださった。

★ 未来はどの程度決まっているのか。そして、どの道を選択すると幸せになる、というのは、スピリチュアルカウンセラーの方から見えるものなのか。

「未来は、50通りもあるんです。たくさんの珠の、数珠つながりのように見えるんです。もっと力のある人だったら、100も200も見えるでしょうね。未来はあらかじめ決まっているのではなくて、ご本人が何を選択するか。だから、大事なのは選択で、アタシがするのは、ご本人が選択をするための‘お手伝い’なんです。」



★ 守護霊さんというのは、どういう人なのか。

「人間という形をとっている私たちが、一番修行の始まりの段階。守護霊さんはその次の段階におられて、守護霊という形をとって修行をしておられるんです。だって、あれこれしてやらないで見守る、ということは、すごい修行でしょう?。」
「守護霊さんたちの言うことを聞いていると上ではそうなっているのかと驚くこともあります」

先生の霊視のご経験上、
宗教については、いろいろと宗教が違っても違う門から入って一つの広場にたどり着くようなもので、どの宗教も上に行けば同じものなのだとのこと。
かと思うと、同じ問題について数人の相談者の方が相談に来られた時、各々の人の守護霊さんが全く違う解決法を言い、話が矛盾することもあったとか。

守護霊さんは私たちよりものが見えている存在だけれど、神様とは違う。
守護霊レベルにまで上がっても、私たちが気持ちを一つにしてやっていくのは必ずしも容易ではない、ということなのだろうか。



★ 考え方の違う、相容れることができない人がいることを、スピリチュアリティではどう見るのか。

「修行のために人間として産まれてくることを決めるわけですが、今度の人生ではどう生きよう、と目的を持って、産まれてくるわけです。もうその段階で、こちらから見るととんでもないような目的だったりする一群の人もいるのです。違いすぎるのです。」

先生のお話を総合すると、
理解したり、相容れようとするのは不可能なぐらい、前提が違いすぎる人同士が生きているのがこの地球。
特に、地球人の中には、宇宙出身(地球でも転生しているけれど、もともとは他の星から来ている人)が三分の一弱いて、その、宇宙出身者にとっては、地球の、ある一群の暴力的な人たちのことは、あまりに違いすぎて、とうてい理解できない。
宇宙出身の人にとっては、‘それでも受け容れるということ’が課題になる。

先生が、ご自身とO田氏のことを、「宇宙出身者」と見ている口ぶりだったので、一瞬‘いいなあ〜’と思った私だったが、
「宇宙出身者は、全世界に散りますから、ソウルメイトと出会った気がする、なんてこともほとんど無いのです」という先生の言葉に、私は、先生のような人の孤独をふと思った。



そんなこんなで、濃密な質問時間とともに、夜も深まって行った。
最後に先生はおっしゃった。
「今日、お二人を霊視させていただいて、それぞれに、大変なこともいろいろ、おありになるのに、みんなこのくらいだろうと思いながらやってらっしゃるのを見て、こちらが元気をもらいました。お話させていただいて、やっぱり世界のお話をしていると楽しいし、リスクはあっても自分はこの道を選んでよかったんだなと思いました。」

そうおっしゃっていただいて、ふと、救われた気になった。

何度もお礼を言って先生のところをおいとました私たちだった。



帰り道、田んぼ道を歩きながら、私たちは話した。
森「O田君。面白かったね」
O「面白かったですねー。前世、何って言われました?」
森「私?、職人、教師、教師、牧師、巡礼の人、って言われたよ。なんか似たようなことばっかりやってんのね。しかもセラピスト入ってないし。そっち方面かよ、みたいな。」
O「(笑)。僕は、今の職が適職かどうか、聞いたんですけど。」
森「あ、そうか、そういうの聞けばよかったな。O田君みたいに、聞きたいことちゃんとメモして準備して来ればよかったよ。で、何て?」
O「あるお医者さんがいて、僕はその人の近くにいて、身体の病気が心とつながっているということを記事で解説していって一般の人に知らせるジャーナリスト、みたいなこと言われました。今の職も近いから、適職なんじゃないかって。」

………。
それって。

森「身体と心の中間やん。フォーカシングやん。しかも、研究者やん。」
O「ですかねえ。」闇の中、O田氏の、まんざらでもなさそうな笑顔が見える。
森「いいなあー。そういう前世で。」

と、口にして、はっとした。

スピリチュアリティの世界が身近になって、前世とか、どこの星から来たとか、守護霊とか、そういうのが分かるようになる。
現世の家庭や見た目や職業や性格でさえ、人それぞれなのに、
霊的な世界まで視点を広げると
もっともっと、一人一人が、恐ろしく違った特性を持って見えてくる。
そうなったとき。

私のように、他人をうらやましいと思う人間は、ますます他所の芝生が青く見えるだろう。
他人のことが許せない人は、呆れるほどの違いの大きさに、ますますやりきれなさを感じるだろう。
そんなこんなで人間が怖い人は、霊まで見えるようになって人口密度が増え、ますます街中が怖くなるだろう。


でも、違いを珍しさとして面白がることさえできれば、きっと、ますます楽しくなるだろう。

スピリチュアリティの世界が、こうして身近になることが、
幸せなのか、そうでもないのか、と言えば、
「心がけ次第で、うんと幸せ」。
そう思った、長い夏の夜。



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ということで、スピリチュアルカウンセリング体験記でした。
ちょっと、忙しくて、日が経ってからこの体験記を書かせていただきましたので、細かい言葉の言い回しなどがだいぶ、意訳になっています…。そういうものを載せまして、先生ごめんなさい。

お世話になった先生は、福岡市城南区梅林にカウンセリングルームをお持ちの、山口純先生です。
開業なさって日がそれほど経っていないので、HPをまだお持ちでないそうです。
そのうち、ブログをおつくりになるということなので、そうしたら、連絡先としてここにアップさせていただきたいです。
山口先生、そしてO田君、ありがとうございました。



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