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アン・ワイザー・コーネル来日ワークショップ福岡2011年3-(6)



3日目 『より深く理解し、実践に生かす ―身体の痛み、トラウマ、そしてもっと―』  #3後半  夢、そしてこれから


<最後(にやる)のは、楽しい、幸せな感覚についてですね。
難しい感情について扱ってきましたけど、実は難しい感じと楽しい感じというのは正反対のことではなくて、
難しい感じに十分に注意を向けていると、そこが持っている命の力、ライフエナジーを感じられてきて、それは、楽しい感じだったりいい感じだったりというふうに感じられることが多いです。
難しいところから新しい命が生まれていく、そういうイメージです。

ライフエナジーというのを見ていく上で、自分が何を望んでいるのか、願望は何なのかを見ていくのが大事だと思っています。
興味深いことなんですが、私達は話をしていて、その中に自分の願望や望みがどういうふうに含まれているか意識できていないことがけっこうあるんですね。
ですからもう一人の人に、こちらの話していることの中に、どんな望みや願望が入っているのかを聞いてもらうのが有用だと思っています。

例えばクライエントが、自分のために時間やスペースを取ることが全然できないって言ったとします。
もちろんそういう時に、《自分のための時間やスペースが全然とれない感じなんですね》って伝え返すこともできるんですけど、
《じゃあ自分のための時間とスペースが欲しいなって感じておられるんですね》、と返すことができるんですね。
人の話の中からその人が何を望んでいるのかを聞いて行くのは、非常にパワフルなことだと思います。>

アンさんは、クライエントさんとのやりとりを例に取って話しながら、
<人が望んでいることを聞きとる耳をもっておくこと、それは非常に大事で、友達やいろんな人をサポートする上で大事なんじゃないかと思います。
ある人は、「これが欲しいんだけどでもどうしたらそれが手に入るか分からない」と言うかもしれない。
その場合は、《ああ、それが欲しいんですね。それを望んでいるっていう気持ちを感じてみるだけでも…》と。
人は何か欲しいものをどうやって手に入れたらいいか分からない時、欲しいっていう気持ちさえ感じなくしていることがあるので、欲しい、望んでるって気持ちを感じるってことが大事だと思います。

ちょっとしたエクササイズをやってみようと思っていますが、2つの教示です。

話し手の人が、望むことを話します。
聴き手の人は、「ああ〜を望んでいるようですね」ということで、

1 @「気持ちがそこに居ていいかどうか」A「望む気持ちを持っていいかどうか」B「望む気持ちを感じてよいかどうか」を聞きましょう。この3つはバリエーションですので、どれかぴったりする言葉を選んでいただいて結構です。

2、あなたが望んでいることを受け取ると、どんな良い感じがするか、身体で感じてみましょう。


このエクササイズのやり方は4人です。向かいに座っている人がメインリスナーです。
フォーカサーの人が話すテーマとしてはこの3日間ワークショップをやってきて今後どうしたいか。どう生かしたいかです。
時間は1人6分あります。5分で1つベル、6分で2つベル、3回で次の人に交代します。 >


シェアリングは、このこのワークがすごく面白くてしばしば自分でやりたいといった感想や、
このワークショップで体験したようなプレゼンスを日々の何気ない生活の中で積み重ねていきたいと語ってくださった方もおられた。
そろそろ、この、セイクリッドなワークショップが終わりに近づいている。

「私の中でこのワークショップに出会ったことはほんとに大きな幸せでした。ありがとうございました。」
参加者の方々の声、60名の熱い拍手、
(さすがにちょっとは疲れが見えるけど)最後まで大きく柔らかなアンさんの笑顔に包まれながら、
貴重な3日間が終了した。


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ワークショップが終わっても、多くの方が黒板の前でアンさんに代わる代わる握手を求め、ぴたっとくっついて写真を撮ってもらいっていた。

ワークショップ中も、皆さん、あまり流れとか気にしすぎずに質問し、自由に過ごしておられたのは、アンさんのプレゼンスによって解放されていたせいだろう。

一方、院生のA君は教室の一番後ろで、4人組で組んでいたN女史と何やら長々と話し込み、
そして、そっと、帰っていった。
N女史が私に近づいてきた。

「うちの学生と話し込んでくださって、ありがとうございます。」
私が頭を下げると、N女史は口元を押さえ、おかしそうに苦笑した。
「だって、ずっと話すんだもん。」
「えっ、彼がですか??」意外だ。
「で、何なら飲みに行くってことにしたから。」
「ええーっ!、何ですかそれ!!」
「だって、彼がずっと話すから…(笑)」

A君は、このベテランの学校の先生を捕まえて、
いったいどんな手法を使って
「一緒に飲みに行く」などという単語を出させたのだろう。
あの‘分身の術’か、はたまた、
単なるナンパ上手なのだろうか。

あきれている私に、N女史は、
A君がもっとフォーカシングの場が欲しければ自分の研究会に入れてやってもいいと言うのだった。

「彼は、何かしてやらんといかんという気になるというか(笑)、なんというか…、
ピュアよね…。
きっといいセラピストになるね。
というか、なって欲しいね。」


!!!*+&ああっ%$#’”E(幸)

…アリガトゴザイマス…

手を振って去っていくN女史、
アンさんにくっついてピースをしてるうちの学生たち、
始まったばかりの8月、

A君達の人生の夏、

Everything's Going Well―.

 

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以上、2011年8月 アン・ワイザー・コーネルワークショップ福岡体験記でした。
いろいろうまくいったことや、密かなミラクルは、
「たいていうまくいくのよね」というアンさんの力と、皆様方の合わさった心によるものでしょうが、
A君のみならず、質問しまくってのびのび活躍?していた学生たちのやったことは、
大部分、彼ら自身の持っている力によるものと思いたいです。




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