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祭礼を通じて地域の歴史と文化を見つめ直し、地域を活性化する

地域共創学部 地域づくり学科
学びのキーワード
  • 祭り(まつり)・祝祭
  • 歴史
  • 地域
  • 文化
  • 伝承
  • 祇園祭

講義ポイント①

日本各地で行われるさまざまな祭礼

日本にはさまざまな祭礼があります。春なら予祝祭、秋は収穫祭、年末年始やお盆の祭り、夏には祇園(ぎおん)祭もあります。それぞれの祭りには目的があり、予祝祭では豊かな実りを祈り、収穫を祝う祭りは「おくんち」とも言われます。祇園祭は疫病や災厄の除去を願う祭りです。これらの祭りは、地域によってセリフや所作、装束に特徴的な「型」をもち違いがある一方で、信仰として広がったことから共通点も見られます。

講義ポイント②

体験と口承で伝承される祭り

祭礼は地域に密着した文化です。老年、壮年、青年、少年、幼年と各世代に役割があり、親から子へと代々伝えられます。その中身は体験と口承で伝えられることが多く、そのため、担い手がいなくなると立ち消えてしまいます。
そうならないための一つの方法として、祭礼を文化財に指定し、地域の人々の結束を図り、共同体の中での自分たちの文化を見つめ直す機会を提供することがあります。指定までの過程で、祭礼の担い手と有識者が協力して、歴史を調べ祭礼の型を記録し、自分たちの祭礼のどこに特色があり、どう変わってきたかを明らかにしていくのです。

講義ポイント③

「八所宮御神幸行事」を文化財指定に

福岡県宗像(むなかた)市の「八所宮御神幸(はっしょぐうごしんこう)行事」もそのひとつです。この祭礼は200年以上の歴史をもつ「おくんち」です。祭り前夜に行われる「古式大名行列」は、大名行列の奴(やっこ)振りを真似たものです。同じような御神幸は日本各地にありますが、多くは観ている人に絡んだり、おどけた化粧をしたりします。しかし八所宮の場合はそのような要素はなく、型どおりに練り歩く硬派の奴振りです。御神幸には奏楽や獅子楽という音楽もあります。また、「浦安舞」と呼ばれる巫女(みこ)舞も奉納されます。これらを総体として文化財に指定しようという取り組みが進んでいます。

地域共創学部 地域づくり学科

末松 剛 先生
専門:日本文化史、地域学