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工芸~ 金属工芸編 ~

芸術学部 生活環境デザイン学科
学びのキーワード
  • 工芸
  • デザイン
  • 金属工芸
  • 彫金
  • 鋳金
  • 鍛金
  • 金属加工

講義ポイント①

金属工芸は、彫金・鍛金・鋳金と大きく分けて三つの分野で構成されます。
彫金は鏨(たがね)を用いて金属を彫刻する技法・分野であり、ジュエリー加工や伝統技法では彫りや象嵌などが挙げられます。
鍛金は、金属を金鎚で叩き形成する技法・分野であり、金鎚と当て金を用いた鎚起による器などや、金属を赤くなるまで加熱し叩いて形成した鍛造による彫刻作品などが挙げあられます。
鋳金は、油土や蝋(ろう)などで作られた原型を石膏や土などで型取り、原型を抜いた空洞に溶解した金属を流し形成する技法・分野であり、梵鐘(ぼんしょう)やブロンズ像などが挙げられます。

講義ポイント②

作品を制作するには、作品や道具に使用される材料の特性や加工法方法などをあらかじめ知っておく必要があります。また、道具の構造や道具がもたらしてくれる効果についても同様です。
それらを知らずして加工は出来ず、想定していた効果は十分に得られないでしょう。
今回は、彫金の鏨に焦点をしぼり、講義をおこないます。
鏨といっても、その種類は無数にあります。鏨は効果を想定し、先端形状を作り上げます。
彫ることが目的であれば、どんな彫り跡にしたいかを決め、先端は刃物である必要があります。刃物であれば、焼き鈍し・焼き入れ・焼き戻しなどの熱処理方法を知る必要があり、ここでは、加熱温度や冷却温度、その効果を学びます。

講義ポイント③

実際に、彫り鏨の制作方法を実技形式で解説していきます。
鏨を削り形成するためにはヤスリを使いますが、ヤスリも鏨も同種の鋼材で作られています。同種ということは、熱処理で得られる効果も同等ということですが、当然、効果が同じであれば硬さも似ています。同じ硬さのものは削れないため、熱処理をおこない加工しやすくするのです。焼き鈍した鏨を、焼き入れ・焼き戻しされたヤスリで形成し、焼き入れ・焼き戻しをおこない硬さと粘りを与えます。その後、砥石で刃先を研ぎ整え、鏨より柔らかい素材を彫っていきます。彫り鏨は先端形状も様々なものがあり、装飾的な彫りや文字彫り、一段下げる際のハツリなど得られる効果も様々です。

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芸術学部 生活環境デザイン学科

新 啓太郎 先生
専門:金属工芸(彫金)
  • 講義内容がめざすSDGs