1. キーボード派とマウス派(1)


世の中にはキーボード派とマウス派が存在する。
あなたはどっち?
決め難い?
それじゃまず両派の代表者--来居くんと真臼くん--の議論を聞いてみよう。
来居: 真臼くん、最近マウス派はかなりユーザーが増えて、人気があるようだね。
真臼: はい、マウクロソフトWindowsのおかげで、我がマウス派の真価がやっと認められ、これからますます発展するよ。
来居: キィッ!ちょっとお世辞をいったら、すぐ調子に乗っちゃう。
マウスなんか、はっきり言って、初心者の遊び道具だ。あんな使いにくいものをよくも毎日使っているね。
真臼: 君だって毎日使っているじゃないか!
来居: そんなもの使いたくないよ。
仕方なく使っているだけだよ!
真臼: マウスが使いにくいって、どこが使いにくいの?
来居: 考えてみろよ。
ちょっとしたことをするのにいろんな動きをしなければならない。
時間かかる
し、疲れるし。
真臼: もう少し具体的にいって。
来居:
例えば、文章の一部を他の何ヶ所かで使いたいとき、コピー機能を使うよね。マウスを使って操作するときは:
(1)選択
 まず、手をキーボードから離し、マウスの上に伸ばし、目を丸くしてマウスのポインターを探し、そのポインターを慎重にコピーしたい部分の先頭に移動する。左ボタンを押したままコピーしたい部分の最後までポインターを引っ張っていく。ちょっとでも手が震えたら、選択したい部分からずれたりする。そうなったらもう一回選択するしかない。ポインターを引っ張っている途中にちょっと気がゆるんだり、くしゃみでもしたら、マウスのボタンを押している指の力が抜けて、またやりなおしだ。
(2)コピー
 また、画面を見つめ、マウスのポインターを慎重に「編集」メニューのところに移動し、一回クリックする。それからポインターを注意深く下に移動し、「コピー」のところをクリック。少しでも手が震えて、上の「切り取り」をクリックしたら、その部分が消えてしまう。それでまた「編集」から「元に戻す」をクリックし、最初からやり直す。
(3)貼り付け
 ポインターをコピー先の箇所に移動し、クリック。じっと画面を見つめながらポインターを「編集」メニューのところに移動、クリックし、そのまま神経を集中させてポインターを下に移動し、「貼り付け」をクリック。
 以上の操作でやっと一カ所へのコピーが完成。他の箇所にコピーしたい場合は、(3)の操作を繰り返してやらなければならない。
 こんな簡単なことをやるのに、これほど大変な操作をするなんて、それでもマウスが使いやすいとでもいうつもり?それに虫を探すようにずっと画面を見つめていると、すぐドライアイになるし、彫刻家みたいに指や手首の神経を使い、腱鞘炎になったりもする。
 ところで、最近「眼鏡産業振興会」(通称:近促協)はマウクロソフトに感謝状を贈ったらしいね。その理由は、近年の顧客増加と潜在客層の開発に多大な貢献をしたことだ。そしてマウクロソフトにこれからも協力するよう要請したらしい。
 それから、「世界マッサージ協会」も感謝状を検討したけど、けっきょくやめたらしい。
真臼: どうしてやめたの?
来居:  マウスのおかげで、腱鞘炎のお客さんが増えるのはうれしいけど、腱鞘炎はマッサージ師の職業病でもあるんだって。お客さんの急増によって、マッサージ師の腱鞘炎もひどくなって、けっきょくマッサージ業界は致命的な打撃を受けたようだよ。今は感謝状を贈るどころか、告訴状でも送りたい気分に違いない。
真臼: どこからそんな作り話を聞いたんだい。

 確かに上のケースでマウスによる操作は簡単とはいえないが、マウスだって、非常に便利なところもあるし、マウスじゃないとできないことだってあるんだ。
来居: いや、マウスのできることはキーボードで全部できるはずだ。
真臼: 絶対、マウスしかできないことがある。
田原総二郎:
ずっと横のソファーで居眠りをしていたが、突然大きな声を出して
君は間違っているよ!
はい、CM!
真臼: ☆◆◇◎♂∬刀H??・・・