

写真・映像メディア学科 写真専攻
誰もがスマホ片手に撮影できる時代に、写真を通じてどのようなことを伝え、表現していくのか。フリーランスでも活躍された百瀬教授に話を聞いてみました。
百瀬教授のこれまで
自分が学んだ母校で
30歳のときに教員に
出身は福岡ではなく東京。写真が学べる大学を探そうと思って本を開いたとき、一番最初に見つけたのがたまたま九産大だったんです。福岡にも九州にも特に縁はなかったのですが、一度は東京を出てみたいという思いもあり、福岡に来ました。卒業後はそのまま大学院に進学し、ずっとここで勉強していたんです。大学院時代の担当教員がニューヨークから赴任してきたばかりだったのですが、その先生にアメリカの現代的な写真を教えてもらい、大きな影響を受けて現在に至ります。
大学院卒業後はフリーランスの写真家として活動し、新聞の連載や雑誌の仕事をしていました。2年に一度は個展を開催するようにもしてきました。
転機が訪れたのは30歳のとき。母校である九産大で教員を募集していると聞き、設備や施設が充実している場所で写真ができることに魅力を感じ応募。教員として再び本学に戻ってきました。

写真を通じて世界をどう捉えるか
写真を通じて、人や場所が持つ
記憶などを掘り下げる
私の研究は、写真を通じて「人と場所のつながり」を探求すること。都市や自然の風景の中にある、目には見えない「時間の層」や「記憶の痕跡」を捉えることをテーマにしています。たとえば、同じ場所と被写体を異なる季節や時間帯で対峙すると、単なる風景ではなくその場所が持つ時間の流れなどを表現することができる。そうした試みを続けているんです。写真は瞬間を切り取るだけでなく、その背後にある時空を映し出す力を持っていると感じています。その思いが「写真を通じて、人や場所が持つ記憶などを掘り下げる」という私の研究・制作の軸となりました。目には見えないけど感じるもの。写真を使ってそれを視覚化することを、ずっと楽しんでいるんです。

学生たちにいつも問いかけているのは「写真を通じて世界をどう捉えるか」ということ。技術を教えるだけでなく、どのような視点で世界を見つめ、どう表現するかを考えてもらう授業を心がけています。失敗を恐れず、自由な発想で挑戦してほしいので、そのための環境を提供し続けるのが私の仕事。「自分は何を伝えたいのか」を問い続ける力を育てたいと考えています。
現代はスマホのカメラも発達し、誰でも上手な写真を簡単に撮ることができるようになりました。そうした中、九産大ではアナログとデジタルをうまく使い分けた教育をしており、設備も最先端のものから古典的なものまで揃っているのが魅力。それぞれに個性あるテーマで活動する教員もずらりと揃っているので、「これだ!」と思うことに必ず出会える場所といって良いでしょう。この時代に九産大で写真を学ぶ意義をぜひ感じてもらいたいですね。



今後の活動・目標について
写真の力を信じて
新たな可能性を探求
私の研究・制作はまだ終わっていないので、これからも飽きるまで続けていきたいと考えています。その一方で、写真や映像を使った「記録」と「表現」の境界を探る新しい作品制作にも取り組みたいと思っているので、最新技術と並走しながら新たな制作にもどんどん挑戦していきたいですね。写真は単なる記録やアートではなく、「人と場所、そして時間をつなぐ架け橋」です。その力を信じて、これからも研究と制作、教育を通じて、新しい可能性を探求し続けたいと思っています。

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- Q.趣味はなんですか?
- 散歩
普段気づかない景色や小さな変化を
発見するのが楽しくリフレッシュできるため -
- Q.好きな食べ物は?
- 季節の食材を使ったシンプルな料理
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- Q.今、興味・関心があることは?
- 料理と食文化
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- Q. 座右の銘を教えてください
- 「光を見つける」
光を見つける力こそが創作活動や人生の前進につながる -
- Q.「九産大生」の印象は?
- 自分の想いを形にする力がある